夏目漱石フリークだった私は何回目かのロンドンへの出張の際、クラパム・コモンにある
「倫敦漱石記念館」を訪れたことがあります。
ここは漱石のロンドンでの5回目の下宿先。
日曜日だったか休日だったか。のどかな初夏の日でした。
ブラブラと歩きながら、漱石がいた当時とあまり変わらないであろう小道を、風に吹かれ
ながらゆっくりとひとり散策した記憶。
そこで爽やかな夏の午後を過ごした私は、帰りはビクトリア・ラインの「pimlico駅」から
地下鉄に乗ろうとテムズ川沿いを歩いていました。
その時いきなり目に飛び込んで来た風景。
「ここ、知ってる!…ここ、なんだっけ…?」
バタシー・パワー・ステーション。
1983年に操業停止になった石炭火力発電所。
ピンク・フロイドのアルバム「animals」のジャケットで「ピンクの豚」が空を飛んだ場所。
結局、空気をはらんだこのピンクの豚は、撮影当日、空高く脱走し撮影は中止。
ターナーの描いたような美しい空をもつ風景だけ撮影され、ピンク・ピッグはあとで合成
写真での参加と相成りました。
脱走したピンク・ピッグが飛行しているため、ヒースロー空港の全ての便が一時発着不能
となり、責任者が逮捕されるというオチまでついた伝説のジャケット。
近年、マレーシアの財閥がここ周辺を買い取り再開発をすすめていて、素晴らしく美しい
廃墟となっていたこの場所も今は地価が大幅に高騰、地元イギリスの非難を浴びていると
最近のニュースで見ました。
廃墟。かつてたくさんの人がいた場所。セピア色のアトモスフェア。
「animals」久しぶりに聴いてみよっかなー。
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