2017年1月13日金曜日

no.1033 kanazawa-higashi-shima

お文姐さんのお宅を出たあと、夕暮れの街を昔のお茶屋さん「志摩」へと向かいました。
夕暮れのひがし。また違った趣きがありますね。


文久3年に創立した格式の高いお茶屋さんの「志摩」 国指定重要文化財です。
早いお時間は芸妓さんたちの歌舞音曲がここのお座敷で貸切で披露されていたらしく、入場
規制が入っていて見学できなかったの。


花街として今でも形骸化せずに体裁を保っていけているのはやはり京都のみなんですね。
昔はここでも歌舞音曲の類、琴、三弦、笛や舞、謡曲、茶の湯から俳諧まで幅広く芸事を収
めた旦那衆達がいらして、客、芸妓ともに高い教養と技能をもってしての「遊び」がなされ
ていたのでした。
床の間を背にして旦那衆が座り、その前の控えの間が舞台となります。


べんがらが塗られた赤い壁。金沢には群青色を塗ったジュラク壁(原料はラピスラズリなん
だって!)というのもあって、もうそれだけで非日常の空間が演出されていますよね。
襖の取っ手は七宝。こういう細部に本当の贅が尽くされています。


しかもお部屋ごとに細工が違うのねぇ。あたし、こういうパーツを探し出すのが好きなの。


盃を置く台。漆もの。こういうお道具は使ってなんぼだからねぇ。
お酒から切り離された酒器の類はなんだかカサカサとしてて気の毒になる。
またお酒とお三味の音色で潤わせてあげたいな。展示されているだけだとお道具は生きない。


二階がお客様達のお座敷。一階はお店の人たちの空間だったんだって。
一階のお茶室でくたびれたのでお抹茶を頂きました。季節の和菓子は南天を模したもの。


なんだぁ。金沢すごくいいところなんじゃない。一日にして魅了されてしまったわ。
やっぱり印象に惑わされないで一度は来てみないとダメね。こんなに素敵だと思わなかった。


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