ターシャ・テューダー(1915〜2008)
アメリカの絵本作家であると同時に究極のスローライフの実践者。
もともとボストンの名家の出身でしたが、社交界などになじめずに15歳で迷わず絵画と農場
での生活を選びます。
絵本作家として成功したあと、バーモント州マールボロに30万坪!の土地を購入し18世紀
に本当にあった邸宅と同じものを、息子さんと二人で手造りで建て住んでいました。
ターシャの庭。これが本当に素敵!
コーギー犬が駆け回る広大な庭は、ターシャがひとりで作り上げたもの。
昔ながらのお料理、昔ながらのお洋服、昔ながらの生活。
彼女が着ているお洋服は、ほとんど18世紀のアンティーク物です。
自然に着こなしていますが、購入金額は宝石にも匹敵するはず。
日本の紬や黄八丈に似ていますね。
カジュアルなのにお値段は最高級。でも、あくまでも普段着。
ここまで18世紀当時の生活にこだわった人は、世間から見れば、いわゆる「変人」と言われる
部類の人だったのかもしれません。
細い華奢な身体で繊細な絵本を描きながら精神は強靭。
ターシャを知ったのは彼女の絵本「Pumpkin Moonshine」を息子のために買ったとき。
子供を持つことで、世界を広げてもらっているのは、やはり私の方なのかもしれません。
「わたしは昔の生活にひかれます。きっとひと昔前、おそらく1830年代に生きていたことが
あったのでしょう。時間は川のようなもので、湾曲しながら流れて行く...とアインシュタインは
言っています。その湾曲部分に戻れたら、そこからは前の時代にも後ろの時代にも進むことが
できるはず...。死んだらわたしは迷わず1830年に戻ります」
そう語っていたターシャは、4年前にその生涯を閉じました。
きっとその願い通りに1830年に戻り、いつもと変わらず庭仕事をしているに違いありません。
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