実は...先日の骨董市でもうひとつ買ってしまったものが...。
イタリアの木彫りの天使像。
お背中に羽があった跡があり、それは長い時間の経過と共に失われてしまったようです。
骨董市の会場に入ってすぐ、小さくコージーなスペースにその天使像は飾られていました。
女性らしく控えめで、オーナーの気に入った品のみを扱っているブース「骨董うまこし」
始めはその横にあったデルフトの藍のお皿に目がいったのですが、その横で少し前屈みに
こちらを見ている視線に気づき。
いったいいつの時代のものでしょうか。
もしかすると16世紀。
どういう人が彫り、どういう人が祈りを捧げ、どういう場所に飾られていたのか。
私はこういったものを手にする時、一番最初に想うのは「果たして私がこのものを手に入
れるのにふさわしいのか?」ということ。
こういった長い年月をかけて大事にされ残ってきたものには、なんと言うか、独特の魂と
いうかスピリットが宿る様に思えるのです。
自宅に届いて桐の箱を開けた時、一瞬、天使像が戸惑っているような気がしました。
「ここは...どこ? ここが次の居場所なの?」
骨董は、自分の置かれるスペースを要求してきます。
この天使像自身が自分の落ち着く場所を探している感じです。
ああでもない、こうでもないと私なりに考えてみましたが、なんせ更年期、そして家族の
いる身、なかなか思う様な場所が思い当たりません。
とりあえず私の一番のプライベート・スペースである寝室の窓側の壁にウォールラックを
取り付け、庭の草花をさした場所に佇んでもらってみました。
まず、更年期を口実にしてさぼっていた片付けにかかろう。そして、もう少し試行錯誤
してみよう。...そんなことを思う春の曇り空の午後です。
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