2013年4月30日火曜日

no.430 buddha statue

仏像を観に行くのが、いつの頃からかの私の趣味のひとつです。
飛鳥時代の仏像。これはもう別格。
ゆえに奈良を訪れる機会が多かった、という訳です。

広義の飛鳥時代の中でも、後半に位置する白鳳時代(美術史上の年代/7世紀末の大化の改新
〜8世紀初めの平城京遷都まで)の仏様たち。
荘厳で少し威圧感がある前期の仏様に比べ、ゆったりとおおらかな感じがするのが特徴です。

東京、深大寺の白鳳仏。
来歴は不明で、なぜ当時未開の地だった関東に、本家本元の奈良にも匹敵するような仏像が
あるのかも不明です。
私の幼少時の遊び場だった深大寺。
植物園があるので子供の頃からよく通い、長じてからはお蕎麦を食べに頻繁に訪れて、その
度にこの仏様にもご挨拶に行っています。


奈良、興福寺の仏頭。
もともとは蘇我倉山田石川麻呂を弔うために建てられた山田寺の本尊だったそうですが、
幾多の火災や戦渦を通り抜けてきたようで今は頭部しか残されていません。
それでも、この凛とした美しさ。
見る角度によって、微笑んでいるようにも、また、これから戦いに挑むかのような厳しい
表情にも見て取れます。


そしてもう観ることができない、奈良、新薬師寺の小像、香薬師。
明治時代以降3回の盗難に遭い、昭和18年に盗まれて以来、行方がわからなくなっています。
今は、海外のコレクターの秘密の部屋にかくまわれているのか、失われてもうこの世に存在
しないのか、またはどこかの廃屋に置き去りにされているのか...。


三つとも、とてもよく似ているでしょう?
もしかすると、同じ工房で同じ人に造られて、同じ願いが籠められていたのかもしれません。
そう考えるとロマンがありますね。

駘蕩たる春風が吹く中、お寺への坂道をゆっくり上って、またお参りに行きたくなりました。


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