さる年の秋、NYでの仕事の帰りにロンドンに飛び、シェイクスピアの故郷であるストラトフォ
ード・アポン・エイヴォンへひとり旅をしたことがありました。
朝晩の澄んだ空気。いやだったら誰とも話さないでいいひとりぼっちの旅。
好きな場所に好きなだけ居ていい。
電話もメールもチェックしない、自分が本当の自分になれる旅。
虚飾することも卑下することもない素のままの自分を、あぁ私ってこうだったっけ...と思い出
すことができる時。
ちょうど観光シーズンの狭間だったのか、シンと静まりかえったホーリー・トリニティ教会
にはまったく人気(ひとけ)がありませんでした。
13世紀に建造された教会。
シェークスピアはここで洗礼を受け、そしてここに埋葬されています。
ひとりの人間の始まりから終わりまでを見届けてくれる場所。
深まる秋の1日の午後を、お香と古い図書館の匂いがするこの場所で、ひとり静かに過ごした
ことがあるのを思い出しました。
PCのデータの中に見つけた想いあふれる1枚。
昔の日本にも仏教に基づいた檀家制度があって、各家がそれぞれの地域の神社仏閣に出自を
持ち、先祖代々、人としての始まりも終わりもそこで迎えることができるという場所があ
ったんだよね。
ちょうど私が生まれた頃くらいから、そういったことは時代遅れのように見なされはじめて、
核家族化と共にそのシステムが形骸化してしまった家も多い。
父が亡くなって息子が生まれてから、両親がやってきてくれた菩提寺や親戚との付き合いを
姉と私でなんとか形を保ちつつ行うようになって、自分のアイデンティティが歴然と示され
る場所があるということに、そこはかとない安心感が漂う幸せがあることに気づきました。
それでも、会津にあるうちの菩提寺「融通寺」は戊辰戦争による火災があったために、うち
の家系は三代前くらいまでの過去帳しか残されていません。
その前の、そのまた前の、そのまたまた前の時代に生きた、私と血がつながっている愛おし
い人たち。
その人たちが生きてきてくれたおかげでいまの私がある。
秋の訪れとともに、ホーリー・トリニティ教会の1枚の写真が、そんな感慨を思い起こさせて
くれました。
素敵な写真♡
返信削除ゆみさん♡のブログで学んでから海外に
行きます\( ˆoˆ )/♡
未知すぎて迷子になって帰れなくなりそうなので(笑)