なんの予定もたてず、ただただ温泉に入りに来た今回の旅。
松山空港の手荷物受取場で荷物を待っていた時、壁一面に古い小学校をリノベーションした
「宇和米博物館」の写真が掲げられていました。
109mもの長い長い木造の廊下の写真。
それを見た息子が「ボクここに行きたい!」と言い出し、翌朝さっそく宇和島へのドライブ
へと出かけました。
松山からは松山自動車道にのり西予宇和ICで高速を降ります。
快適な1時間30分くらいのドライブ。
ナビのガイドに従って、細い道やら農道やら住宅街やら国道やらを通り、急な坂道を登った
小高い丘の上に旧宇和町小学校を移築した「宇和米博物館」がありました。
なかに入ると空港の写真で見たこのなが〜い素敵な廊下が!
ガラス窓はサッシではなく、木の枠に古いうねりのあるガラスのまま。
風の音のみが聴こえ、それがかえって「静粛」をより際立たせています。
かつて子供達がいた教室。
来月は桃のお節句の月にあたるので、古く床しいお雛様たちが廊下に飾られていました。
こういう御殿造りのお雛様、私は初めて見た。
調べたら「雛御殿」というお雛様だそうで、明治・大正から昭和初期くらいまで、主に
西日本を中心に人気があったんだとか。
昭和30年代には現在の段飾りのお雛様に主流が移っていったんだそうです。
どんな女の子たちがこのお雛様で遊び桃の節句のお祝いをしたんでしょう。
宇和米博物館にいらした女性のスタッフおふたりが、とても親切に私達二人しかいない拝観
者にいろいろと説明して下さいました。
木製の窓枠から聞こえる風の音を聞きながら、私が「暗くなるとここ怖くありません?」と
伺うと「そうなんです〜。もう鍵をかけに行く時は気合いを入れていかないと。」とのこと。
じっと誰かにみつめられているような感覚。
私たちの会話を、むかしむかしの精霊達が息をひそめて聴いているような、そんな不思議な
感じがする場所です。
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