ある春の日。奈良、法隆寺。
斑鳩の春はのどかで穏やか。
時折、春風が舞い、咲き誇った花たちを散らしていきます。
団体の見物客の喧噪が去ったあと、眠っているような静かな時間が流れていき。
白砂、青松、そしてお堂がおりなす風景は、どこまでも清々しい。
風鐸(ふうたく)の微かな「カランカラン」という音に、ふと我にかえります。
風鐸は、なんのためにお堂や塔の四隅にかけられているのでしょう。
結界を現し、その建物を邪気から守るためという人もいます。
でも私には、参拝した人のこころを安らかに鎮める役割りを、その微かな音が果た
しているように思えるのです。
三好達治の詩の断片。
み寺の甍(いらか)みどりにうるほい
廂(ひさし)に風鐸のすがたしづかなれば
ひとりなる
わが身の影をあゆまする甃のうへ
甃(いし)は石畳のこと。
もうすぐ春がきて、あの斑鳩のお寺にもおだやかな春の陽がさんさんと降り注ぐん
だろうな。
行・き・た〜い♡
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