金継ぎのお稽古。
年末にくぼ先生がお稽古場を閉じてしまわれるので、もうリキ入れて通ってます。
小さい古いお皿二枚。
細かく欠けている箇所を錆漆(さびうるし)で埋めました。
左のお皿は20年以上前に上海で買ったもの。
まだ中国の経済が右肩上がりになる前で、街に独特の匂いがあった頃。
その頃、あまりの寒さにマックに入ったら、フライドポテトがサツマイモだったんだよ〜。
これ信じてもらえないけどホントなんだって!
街並みは雀の羽の色。たくさんの人が埃をかぶった自転車で移動してた時代。お菓子屋さん
のウィンドウには着色料ばっちりの原色のケーキが並んでたなぁ。
そんな街の片隅、ガラクタと価値があるものが珠玉混交となって積み上げられたおじいさん
がひとりでやってるお店の軒下で見つけたの。
山間の風景と腰を曲げながら農作業しているおばあさんの図柄。見ていると、その風景に溶
け込んで行ってしまいそうになりますね。
右のお皿は白金の骨董屋さん「関」で購入したもの。
古伊万里の図柄ではお約束の「うさぎもの」です。
先日、打ち合わせのあと、車で「関」の前を通りかかったら、お店は閉められた様子でした。
関さん。お元気でしょうか。骨董屋さんでいらした亡くなったご主人の跡を継いで「関」を
切り盛りしていらしたのですが。
20年くらい前、勤めていた事務所が白金に居を構えていた時によく「関」を訪ねていて、
初めて骨董屋さんの集まる「せり」に出た時のことや、気に入ったものを落札する時のコツ
など、たくさんのお話を時間も忘れて伺ったものでした。
私が本格的にロンドンを行き来する前にご挨拶に伺ったのが最後になってしまった。
いろんなことがあったなぁ。
直す行程をくり返しながら、じっとひとつひとつのお皿に対峙していると、たくさんの想い
が傍らをよぎっていきますね。
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