2016年7月25日月曜日

no.970 last night of osaka

大阪最後の夜。
お食事どうしようかなぁ。一人旅が大好きな私ですが、やっぱり一番困るのが旅先のお夕食。
朝はあまり食べないし、お昼は適当にカフェに入ったり、お蕎麦やお饂飩などのヌードル系
ならお手軽で短時間で済むし。
それにこういう場所は地元の人が居てお話を聞いているだけですんごく楽しいしね!
ホテルのある心斎橋は道の真ん中に居酒屋の客引きの人なんかが立ってて、ちょっと煩わし
かったので、大阪最後の夜は泊まっているホテル1階のリストランテへ行ってみました。

お食事をしたいのですが…とお伝えすると、奥のお席へ通され。
あぁ。コースとかのお店なのね。でもコースはキツイなぁ。全部は無理。
では、サラダとアラカルト1点で。


スタッフの方お薦めの牛のフィレ肉のステーキ。暑かったし。くたびれたからいいかな。
90gだしね。これならいけそう。あっ。フォカッチャもちょっと。


おついでにですね。最初はシャンパンで。MOET。だって今日は暑かったから〜。
シュワーッとしたのが飲みたい時あるでしょ。ほら。わたし、ビール派じゃないから。
それでひさしぶりにお肉なので。赤ワインもいっちゃったわけですよ。お薦めのボルドー。
これが!美味しかったのですー!深みがあるフルボディ。
ひとりでお食事しながらお酒を飲むなんて、私には大層珍しいことなのです。
もうすっかりご機嫌になっちゃって(笑)だって美味しいし。サービスも気持ちいいし。
あとはエレベーターで上に上がって眠るだけだし。おっきな仕事、無事に終わったし。
今回の大阪!楽しかったなー!すっごく。

デザート。5種のデザートをちょっと量を減らしてもらいました。


最後にシングル・エスプレッソを。
なんか。いろいろな美味しさがコンツェルトみたいに響き合ったお食事でしたー。


いろんな人が居て。いろんな人生があって。それぞれの想いで試行錯誤しながら生きていて。
あたしのこれからの人生。あたしのこれからの生活。どうやってアレンジしていく?

なんだか…。ワクワクしますね!


no.969 shiba-kawa building

大阪中央区伏見町にある歴史的建造物の芝川ビル。
老松町の「Credenza」というギャラリーのオーナーの方に(ここで購入した燭台などのお話は
また今度。オーナーの男性がまた素敵な若者なの。ボク、若者じゃありませんよ!って仰って
ましたが  笑)場所を教わって訪ねてみました。


1927年(昭和2年)の竣工。
施主の芝川家は江戸時代から続く唐物貿易の豪商。
外壁、館内にはマヤ・インカ文明を思わせる装飾が施されています。なぜマヤなの?


戦前までは関西屈指の花嫁学校「芝蘭社家政学園」として教育事業に携わり、現在はテナン
トビルとなっているとか。
美しい館内に入ってみました。このエントランス。


階段の装飾ももうほんとに素敵。こんな手すりのある家に住みたい。
関西の上流階級のお嬢さま達が時に賑やかに階段を駆け下りたり、さざめくように笑いなが
らお教室へ向かったりしたんだろうな。


地下に「Mole」というコーヒー店があるというので行ってみました。


ここは有名なお店なんですってね。カウンターだけの小さな店内。
そう言えば、自宅にある歴史的建造物の写真集にここの写真があったかも。
寡黙にコーヒーを淹れてくれた店主の方。
古いジャズのライブ音源が流れる店内は、外の殺人的な暑さとはまったくの別世界の静かな
空間です。
浅煎りの「ヴァカンス」というコーヒーとチョコレートケーキ。



お写真は撮ってはいけないお店らしいのですが、「ケーキのお写真撮ってもよろしいですか?」
と伺ったら「どうぞ。」とのこと。
愛想がいいわけでは決してないけれど、機敏に気をきかせてくれて適度に放っておいてくれ
る穏やかな雰囲気が、私にはとてもとても気持ちがよかった。
こういう人との接し方。
自然体で、丁寧で、さりとて出過ぎたことも過剰なサービスもなく、美味しいものや素敵な
品物を提供してくれる人。場所。空間。

今回の大阪は、すごく参考になりました。


2016年7月24日日曜日

no.968 oh-e building in nishi-tenman

大江ビルヂング。
雑貨屋さん「カナリア」の足立さんから教わった、老松町近くのテナントビルです。
大正10年の建築。


大江さんという弁護士をしていらした方のビルだったそうで、今でも弁護士事務所が多い中、
最近はギャラリーやブティック、アンティークショップも増えたとのこと。素敵!
古い建物フェチのわたくし。これは必見!とばかりに翌朝、朝も早よから出かけてみました。
このエントランス。中は大理石でひんやりとしています。


建てられた当初は「地下に食堂、理髪店、貸金庫。2階にはキオスク。そのほかビリヤード
台やバーカウンターまで備えたホテルのようなビル」だったとか。
モボ、モガの時代。大正モダニズムの雰囲気をよく残していますね。


素敵な階段のレリーフ。わたしはなんだか階段に魅かれる性癖あり(笑)


震災の時は外壁が崩れたりしたようですが概ね問題はなかったようです。昔の建物は強い。
地下にアンティークショップ「和洋館」の文字を見つけ伺ってみました!
女性オーナーのあみざきさんから、先日まで買い付けに行ってらしたロンドンのお話、この
古いビルのお話、イギリス郊外のアンティーク事情なども伺えてアッと言う間の楽しい時間。
淡い濃淡のあるブルーの色が美しいビクトリア時代のお皿を購入してきました。


こういう古いお皿は、色の濃淡はさることながらカトラリーによってつけられた細かい傷や
焼いた時に自然発生的にできたホツやニューなどで一枚一枚の味が違います。
どこでどういう人に使われていたお皿だったのかな。
そんなことを想像していると、なんだか時間を忘れてしまいますね。


no.967 after the final day

ツアーファイナル大阪。
東京ではなく地方都市でファイナルを迎えるのはこのプロジェクトでは初めて?かな。
収録は前週の代々木で終わっているので、いい意味の解放感があり。
素敵なファイナル3daysでした!
打ち上げは10時過ぎから心斎橋のダイニング・バーにて。
Ayu姫。皆様。4ヶ月間、本当にお疲れさまでした。


翌朝メンバーの皆様を新大阪までお送りしてから、わたしは心斎橋のホテル「TRUSTY」へ。
ここ数週間ちょっと温めている動きがあるので、そのリサーチも兼ねての大阪延泊です。
ツアーの定宿は大阪城ホール脇のニューオータニ。ここは昔からのスタッフに囲まれて居心
地は抜群なのですが、なにせ今回の延泊の目的「老松町」からはかなり遠く。


外観はいい感じ。中も綺麗だけど、まぁ普通(笑)
スタッフの方は皆さんお若くて爽やか。ひとりなら充分かな。アクセスいいし。

さぁ!午後から老松町へGO!です。
目指すは私の骨董感性がばっちり刺激される「兜屋画廊」さんへ。
その前にチラリとお寄りした雑居ビル二階の雑貨店「カナリア」さん。
オーナーの女性、足立さんとなんだか初対面とは思えないほどお話がはずみ!
いろいろお仕事のことや私のヒプノセラピー話、置いてらっしゃる雑貨の作家さんのお話や
14周年のお店のこと、好きな小説のお話など。
ヒプノセラピー時に私の亡き愛猫ミントが前世でも白い鳩として私に寄り添ってくれていた
話を急にしてみたくなり、ふとお店を見渡すとこのお飾りが。
可愛いなぁ。お星様とセットなんです♡


この近辺のおひとりで営業されているアンティークショップや骨董店、雑貨店などをご紹介
頂き再会をお約束して失礼しました。
このあとアポを取っていた兜屋画廊の加藤さんのところへ。
そこで購入したお品や加藤さんとのお話はまた別の日のBlogで。濃い一日だったなぁ〜。

この日の大阪は日傘なしでは歩けない程の猛暑の一日でした。


2016年7月18日月曜日

no.966 osaka this&that

ツアー・ファイナル大阪3日間。大阪、暑いですー。
ホテル脇の街路樹で、もう蝉がウワンウワン鳴いてて。「THE 夏」の到来ですね。
本日は最終日。

1日目の夜は全体スタッフ打ち上げにお呼ばれ。カオス。
キーボード宮崎先生とカメラチームのミネフジコ(笑)酔ってる?載せちゃったよー、写真。


楽屋では最近発売された義男さんのギタースタンプをお薦めされ…。買わない(笑)


2日目の夜はかつてのAyuダンサーで今はエアリアルの専門家、カエルちゃんがコンサートを
見に来てくれて。ひさしぶりに京橋「金国」で一緒に台湾料理を。


カエルちゃん。懐かしい〜。もう本当に最初のツアーからのお付き合いです。
本当にいろいろなことがあったけど、そんなこんなを乗り越えて、すごく元気な姿を見せて
くれて嬉しいです。
今夏に渋谷でエアリアルのスタジオを開くことになったんだそう。頑張って!
今日のコンサートの話。お芝居の話。プライベートな話から、これからの生き方の話。
超キュートな金国のママにも会えて、ほんと楽しい夜でした。
いろんなお話を聞きながら美味しい料理を食べつつ、楽器チームのフカポン(カエルちゃん
は飲まないからね。)と紹興酒一本空けちゃいました〜。飲み過ぎだろー。あたし。


2016年7月16日土曜日

no.965 ki-no-shita yushima

湯島女坂にあるお鮨屋さん「季乃下」
無垢の桧の一枚板のカウンターがとっても清潔で清々しい感じ。
素敵な下町のお鮨屋さんです。
カウンターの漆の台に縮みがあるのを発見。漆を乾かす時の湿度がうまくいかなかったんだ
なぁ〜なんて、金継ぎ教わってたから余計なこと考えたりして(笑)

このお店は江戸時代に魚屋さんとして創業して約150年の歴史があるんだそうです。
以前の店名「魚て津」から改名して現在の「季乃下」になったとか。
ここのところお鮨づいてるな。
お通し3品。赤みのスライスは鯨。飲み物はウィスキーのソーダ割り。
あたし、ビールはねぇ。湿度のある夏は美味しいのはわかるんだけど、なんか食べ物が大味
になる気がしてイヤなの。


はまぐり。ひさしぶり。元気だった?相変わらず美味しいね〜(笑)


白身のお魚のお造り。冷えた室内で美味しいお魚を頂く幸せ。ポン酢で頂きます。


鱧。若い時は全然この美味しさがわからなかったけど、今やこれを頂くと夏!っていう感じ
がして嬉しい。梅肉と酢みそで。


この後、いろいろと握って頂きました。
美味しいお鮨と美味しいお酒に夢中でお写真はなし。味に集中できない気がしてね。
穴子の白焼き、頼めば良かったなぁ。今度は最初に頼もうっと。
お会計をしていたら、最後にお店の方に小さい包みを渡されて。お店で焼いた卵焼き♡
翌朝、卵大好きな息子が「なに。これ!美味しいね〜!」と大喜びで食べていました。

湯島の後は銀座のシガーバーでシャンパンとチョコレートなど。


大人になって良かったな〜。子どもじゃあ、間が持てないもんね。こんな夜は。


2016年7月12日火曜日

no.964 kaiten-zushi

お魚が苦手な息子がイングリッシュキャンプなるものに三泊四日で出かけているので、今日
の夕食は姉とちかくの回転寿し!
あっ。左側のお皿の重ねはひとりで食べたやつじゃないからね。姉と二人分です。
ハマチとか、そうねぇ。トロとかのお魚系はちょっと色がイヤだったので食べなかったけど、
タコとかイカとかアワビとかは美味しかったよ。新鮮で。
私は今日の一食目だったので、最後はタコ焼きまでいったりして〜。


近頃の回転寿しはパネルで注文するのね。
だって自分たちが何を注文したか忘れちゃうんじゃない?だいたいお皿が流れてきても、ど
うやって自分たちの注文だって見分けるの?
ひさしぶりでアウェイ感満載の小林姉妹の頭の中は謎???だらけ。
でもよく考えられてるのね〜。画面で注文履歴は見れるし(お届け済みの表示もすぐ出るし。)
注文のお皿が流れて来る時には自分のパネルから音楽が流れて教えてくれるの。

サイドメニューも、海鮮のアヒージョやらロールケーキ(!?)やカフェオレまであって。
お食事中はジュースやコーラなんて飲むもんじゃありません!なんていう教育を受けた私達
には、お寿司屋さんでカフェオレはちょっと違和感あり(笑)
息子の学校から9月にニュージーランドの留学生のホームステイのご依頼を頂いたので、こ
んな所や温泉なんて連れて行ってあげたら喜ぶかもね!という考えもあって、下見も兼ねて
行ってみましたが。面白かった!

ふたりであんなに食べて3000円ちょっと。やすっ。
お客様は入れ替わり立ち替わりで、すご〜く混んでました。
最後に頂いたお椀、青さのお味噌汁は美味しかった!


2016年7月10日日曜日

no.963 yoyogi gymnasium

今週末は金曜日から3日間、代々木体育館でコンサートです。
もう今年で16年? 17年目になるのかな。すごい。ずっとアリーナでできてるなんて。

今回のツアー。決められた楽曲は写真撮影がOKとなっています。2階席からの風景。


そうそう。楽屋にオスカープロモーションさんから差し入れを頂きました。
モデルをつくる水。
これ飲むとモデルになれるっていうもっぱらの噂(笑) お味は比較的硬水な感じ。


たくさんのお花の中でわたしが一番気に入ったアレンジメント。あの方からなのねぇ。
うちに持って帰りたい。


いつもは青山にホテルを取るのですが今年は大丈夫かな?なんて思い、自宅から通うことに
したら。やっぱり身体がきつ〜い(涙)
今朝なんて学校のイングリッシュキャンプへ出かける息子を送って(電車が遅延してたから
早めに出発した方がいいかと思って。)駅まで送り家に引き返したら、スニーカーって指定
があったのに革靴で行っちゃったとかで戻ってきて。
また折り返し改札までスニーカーを届けに行ったりしてバタバタ。朝6時から(涙)

もういい加減なんでも自分で出来るようになってよね〜なんて怒りながらも、あと数年で独
り立ちするのかと思ったら(大学に入ったら一人暮らしするんだそうで。)まぁ〜いいか、
これも。なんて。

とう訳で、仕事から帰ったら3日間しずか〜な家になるのです。やった〜(笑)


2016年7月9日土曜日

no.962 shimokitazawa suzunari

息子と下北沢「ザ・スズナリ」へ。
もう本当にひさしぶり。スズナリ。何十年ぶり。
駅近辺は再開発でかつての面影は全くと言っていいほど無い。

早く着いたのでお茶を。なんと!若い女性がお二人で仕切る甘酒とフレンチトーストのお店。
面白いね〜さすが下北。でも、頼んだのは桜川サイダーでしたけど〜(笑)
蒸し暑い一日だったからね。36度だって! それ…。体温でしょ…?


今日はこのお芝居を拝見しに参りました。花組芝居「恐怖時代」


こういう小劇場の楽しみ方を、こんな子供の頃から味わえるなんてアナタはほんとに幸せ者。
わざわざご案内を頂き、チケットもおさえてくださった加納さんに感謝です。


原作は谷崎潤一郎。お銀さま。
もともとの血みどろ劇が、軽やかさ満点の納涼浴衣芝居に仕上げられていました!
息子は座長の加納幸和さんが大好きで。
2時間のお芝居をものともせず食い入る様に舞台を見て時に大笑いをしていました。
終演後に加納さんにご挨拶。


舞台でも使われていた団扇と花組芝居の手ぬぐいもゲット。
帰りの車の中で今日のお芝居のことをあーでもない、こーでもないと、ふたりして色々と語
り明かしながらの帰宅でした。

こんな会話を自分の息子とできるようになる日が来るなんて。思いもしなかったなぁ。


no.961 the final day of fukui

福井滞在最後の日。
九頭竜川の河口付近の町、三国町に足を伸ばしてみました。
三国町は昔、北前船の拠点となった港町で、越前ガニや甘エビの水揚げで有名なところ。
近くにあの東尋坊があります(行かないけど。自殺の名所でしょう?やだな。)
ここにかつての繁栄を偲ばせる古い建物があると聞いて、古物好きのわたくし、イソイソと
レンタカーで向かってみました。

まず訪れたのは「みくに龍翔館」


ここは、あのだまし絵のエッシャーのお父様、オランダ人の土木技師エッセルによって建築
された旧龍翔小学校の外観を忠実に再現した場所。
こんな小学校に通えた子ども達はなんて幸せなの〜。
最上階の展望台から見た九頭竜川河口の町、三国町の風景。お客は私ひとりだけ。


九頭竜川。
息子を身ごもって。でも仕事を中断するわけにはいかず…。コンサートツアーに廻っていた
時にこの川を目にして、生まれて来る子どもに「龍」の名前をつけようと決めたんだった。
あの頃のわたし。その時の自分を思い出して、しばし物思い耽ってしまった。

暑い昼下がり、町のメインストリートと覚しき通りに出てみました。
素敵な樹の傍らの商家。看板には「古美術商」と書かれている少し傾いだ古い建物。


繁栄を極めた時代に商家の大旦那とかの趣味の骨董を商っていたんでしょうね。
町の方のお話だと、もう大分以前にお店は空き家となっていて、最近になってやっと借り手
が見つかったようだとのこと。今度は何のお店になるのでしょうか。
美しい骨董でいっぱいだった時のこのお店を見てみたかったな。

森田銀行。地元の銀行として、住民に愛された銀行だったんだって。
大正9年に完成した鉄筋コンクリート2階建の近代建築。設計は山田七五郎。


内部は吹き抜けです。照明、白い漆喰の壁、時代を経たマホガニー色の手すり。素敵。


こういう細かい技がこの頃の建築の特徴でしょうね。わたしが最も好きな装飾のひとつ。


西洋風なんだけど和のテイストが入っていて、猛々しくなく、こじんまりと品が良い。
昔、こういう装飾のある小さな本棚を持っていました。
マイナスから人生をやり直したときにそれも手放してしまった。
いまでも時々思い出します。

暑い真夏のようなこの日。
朝から何も食べていなかったので、空港に戻る前にせっかくなのでお寿司を食べに。


これで回転寿しのランチなの!もうネタが!新鮮で美味しい!
よく北陸の人が関東でお魚を食べるとまずいって言うのを聞いてたけど、こんなのを日常的
に食べていたら、そりゃあ美味しくないわ。関東のお魚。

16時台の飛行機からの富士山。わたしの福井への小旅行の終わり。


「もうすぐ仕舞いの人生、持っている品はお好きな方に原価でお譲りしています。引退
してから骨董の店を始めましたが実に楽しかった。わたしは幸せ者なんですよ。」
福井の骨董屋さんの84歳になる店主の方のお話を、なんとなく機上で思い出しました。

わたしもこんなことが言える人生を送りたい。


no.960 cats & cafe

近所のノラ猫ちゃんが子猫を二匹生み、どうしようかと思案中でした。
先日ジムに行こうと玄関の扉を開けたら、お向かいの家の駐車場にひとりで「ミィミィ」
鳴いている子猫を発見。
近づいてみると目やにでまったく目が開かない状態で母猫を探して鳴いていた様子。
だっこすると少し抵抗しましたが、ほんわかしてて嬉しかったのでしょうか、大人しく抱か
れて家に入りました。

いつも行くペットクリニックはお休み。
だっこしたままネットで動物病院を探し、保護猫を親切に診てくれたよ!とコメントがあ
った少し離れた病院に連れて行くことにしました。
ケージに入れて車に乗せる時、もう一匹のキジトラも発見。この子も保護して一緒に病院へ。

診断はひどい風邪とのこと。
このひどい目やにを取らないでいると、眼球が溶けて失明しちゃうところだったとか。
間に合って良かった。
とてもいい先生で、処置のあと、そのまま二匹を入院させてくれました。
数日後に病院に行った時のショット。


抗生剤が効いて目もパッチリとしてきましたね。可愛い!
里親探しのボランティアの方を病院で紹介して頂いて、いまこの二匹はその方のおうちに保
護されて里親が見つかるまで育てて頂いてます。
仕事が落ち着いたらボランティアの方の手をお借りして母猫を捕獲し避妊手術を受けさせ
る予定です。なにを隠そう、うちの二匹もその母親から生まれた子。
このままこの連鎖が続くと、母親もだけど可哀想な子がそれだけ増えてしまうからね。
いま地域猫っていう呼び名もあって、地域で責任を持って面倒を見て可愛がるっていう方法
もあるでしょう?
猫が安心して寝そべっている地域って、なんだかの〜んびりしてて平和でいいですよね。

病院での面会のあと、ひさしぶりに近くのオーガニックカフェ「楽自喰/ラシク」に行って
ランチを食べてきました。
オーナーの木村さんは食材にこだわり、環境にこだわり、安心してお食事を提供してくれる
希有な存在。
本日のメインはお豆腐のはいったカレーだよー!美味しかったー!


お持ちのビルのお隣の小さな店舗がいま空いているので、お借りしてこじんまりしたアンテ
ィークのお店でもひらけたらいいな〜。本気で考えちゃおうかなぁ〜。


2016年7月5日火曜日

no.959 tagawa-ke

お詣りのあと、白山市にある国の有形文化財の「多川家」を訪れてみました。
多川家は子孫の方がいまでもお住まいなので、公開されているのは住居の一部と私設美術館
にされている建物だけ。
御用の方はインターフォンでと門に書いてあったのでピンポーンすると、13代当主の方が
直々に出て来て下さって。恐縮です。

えっ!これが私設なの?すごくない?


収容されている宝物は前田家ゆかりの刀やら古文書、秀吉自筆の手紙、浮世絵の初版もの、
天皇家から拝領の器、マニア垂涎もののお札とか故旧博物館にあるクラスの中国の衣、もち
ろん古伊万里や古い九谷、鎧、などがずらっと。すごく古い旧家なんですね〜。

教科書でみたことある古風な貝合わせ。


これデルフトなのです。こんなの見たことない!


天皇家から拝領の赤絵の器。菊のご紋が真ん中にど〜ん!
煮物を盛ったらいいな、なんて不謹慎なことを考えるわたくし(笑)
でも物に対するわたしの基準は自分がいかに実生活で使えるか?なんだもん。


この衣、中国の方が売ってくれとスーツケースからお札を束で出して交渉したんだそう。
あの方達、スーツケースに何千万もお現金をお持ちなんだそうです。すごいね。


これ好きだな〜。なんてことない野の花をすとんと飾ったら素敵。李朝の壺。
お目出度いコウモリの図柄。柳宗悦好み。


双六。普段使いのゲームにも粋を凝らしてます。
国宝「彦根屏風」のなかにあるのと同じ物。江戸初期のお品なんですね。


母屋の一部も公開されていたので、そちらも見せて頂きました。
現当主のおばあさまのお輿入れの時のお着物や。


結納の時のもろもろ。こんな細かいものも取っておかれたんですね〜。
蔵いくつあっても足りないわ、これは。


本当にいいものは散財した先代達が売ってしまって…と仰っていました。
版木をお持ちの浮世絵を当時の手法で何枚か刷らせたものを1部分けて頂きました。
百人一首の中でも息子が好きな柿本人麻呂の「あしびきの やまどりのおの しだりおの…」
の句だったので。

結局、拝観したのは私だけだったので当主の方がずっと付き添って解説してくださって。
花押は昔のサインなので花押のある書面は自筆じゃないとか、千利休は武器商人だったがた
めに最後はその責めをおって切腹になったとか、いろいろなお話を伺いました。面白かった。

私なんて普通の家庭で育ったから、こういう旧家のおうちに生まれ育つなんて羨ましいって
思うけど、それはそれでかなり大変そう。
持っている人達はそれが当たり前になっちゃうからねぇ。