お詣りのあと、白山市にある国の有形文化財の「多川家」を訪れてみました。
多川家は子孫の方がいまでもお住まいなので、公開されているのは住居の一部と私設美術館
にされている建物だけ。
御用の方はインターフォンでと門に書いてあったのでピンポーンすると、13代当主の方が
直々に出て来て下さって。恐縮です。
えっ!これが私設なの?すごくない?
収容されている宝物は前田家ゆかりの刀やら古文書、秀吉自筆の手紙、浮世絵の初版もの、
天皇家から拝領の器、マニア垂涎もののお札とか故旧博物館にあるクラスの中国の衣、もち
ろん古伊万里や古い九谷、鎧、などがずらっと。すごく古い旧家なんですね〜。
教科書でみたことある古風な貝合わせ。
これデルフトなのです。こんなの見たことない!
天皇家から拝領の赤絵の器。菊のご紋が真ん中にど〜ん!
煮物を盛ったらいいな、なんて不謹慎なことを考えるわたくし(笑)
でも物に対するわたしの基準は自分がいかに実生活で使えるか?なんだもん。
この衣、中国の方が売ってくれとスーツケースからお札を束で出して交渉したんだそう。
あの方達、スーツケースに何千万もお現金をお持ちなんだそうです。すごいね。
これ好きだな〜。なんてことない野の花をすとんと飾ったら素敵。李朝の壺。
お目出度いコウモリの図柄。柳宗悦好み。
双六。普段使いのゲームにも粋を凝らしてます。
国宝「彦根屏風」のなかにあるのと同じ物。江戸初期のお品なんですね。
母屋の一部も公開されていたので、そちらも見せて頂きました。
現当主のおばあさまのお輿入れの時のお着物や。
結納の時のもろもろ。こんな細かいものも取っておかれたんですね〜。
蔵いくつあっても足りないわ、これは。
本当にいいものは散財した先代達が売ってしまって…と仰っていました。
版木をお持ちの浮世絵を当時の手法で何枚か刷らせたものを1部分けて頂きました。
百人一首の中でも息子が好きな柿本人麻呂の「あしびきの やまどりのおの しだりおの…」
の句だったので。
結局、拝観したのは私だけだったので当主の方がずっと付き添って解説してくださって。
花押は昔のサインなので花押のある書面は自筆じゃないとか、千利休は武器商人だったがた
めに最後はその責めをおって切腹になったとか、いろいろなお話を伺いました。面白かった。
私なんて普通の家庭で育ったから、こういう旧家のおうちに生まれ育つなんて羨ましいって
思うけど、それはそれでかなり大変そう。
持っている人達はそれが当たり前になっちゃうからねぇ。
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