2012年10月2日火曜日

no.283 kin-tsugi

本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)作/赤楽茶碗/銘・雪峯
大胆な火割れがあり、その部分を金継ぎという技法で埋めたお抹茶茶碗。桃山時代。
骨董の世界では器を称するのに「景色」という独特の言葉をよく使いますが、この絶妙な景色!
現物はまだ拝見したことはありませんが、伝説の器です。
金継ぎとは、金と漆で欠けたり割れたりした陶器や磁器などを修理する日本古来の技法のこと。


なんでこの金継ぎのお茶碗を思い出したかというと。
お昼にお皿を取り出そうと食器棚を見ると、江戸初期の伊万里、ロンドンで買った平皿、明治時代の中皿が割れてしまっているのに気づき(泣)
独り暮らしの時は滅多にお皿を割るなんてことはありませんでしたが、家族と同居してから何枚割られたことか。
きっと物に対する考え方が違うからなんでしょうね。
器を丁寧に扱うことに全く重きを置いていない。

高価な器でも飾り物ではなく、日常の中で使い込んでいくのが信条の私は、高いお皿もどんどん普段使いをします。
だから多少割れるのは仕方がないとは思うのですが、このゾンザイな扱い(怒)
窓辺に飾ってあった安南(ベトナム)の小壷を掃除機で割られた時は怒り心頭に達しました。
どうしてそんな高い所に掃除機をかけようと思うのか理解に苦しむし、何故、器をどけてから掃除しないんだろう?

...で、これから金継ぎ教室に自分が通い、割られた器を修理しようと思った次第です。
長い時間をかけて生き残ってきた器たち。
そんな簡単に捨てたりできない。


0 件のコメント:

コメントを投稿