福井県坂井市三国町。
その昔は北前船で栄えた豪商の町。
かつての大店の旦那衆が建てた素晴らしい建物がそこここに残ってる穏やかで素敵な町です。
以前に来た時にすごく気に入った、むかし、骨董屋さんだった建物。
借り手が決まったと伺ったのですが、直前でキャンセルになったそう。
これだけの建物をリペアし維持していくのは至難の技だもんねぇ。でも絶対残すべき。
三国町のシンボルの一つだものね。
建物の隣にあるタブノキ。
たくさんの人々が、夏はこの樹の下で涼をとり、秋は色づいてハラハラと散る葉に思いを馳
せたりしたんだろうなぁ。
時だけが夢のように過ぎ去り。傍らをいろんな人が行き過ぎ。浮生夢の如し。
今回の三国行きの目的のひとつ。三本日和。
フリーの編集者である女性オーナーの畠山さんの審美眼を通して集められた、新品、骨董品
のセレクトショップです。ここ三国町に拘ったアンティークものの品揃えも素敵!
数点購入した雑貨もののご紹介はまた今度!
とても可愛らしくて、それでいてしっかりと芯が強い「ものたち」なのです。
長い年月をかけて私自身がこまごまと集めたものたちを、そのものに相応しいいでたちを整
えて、今度ゆっくりこのブログでご紹介したいなぁと思っています。
なんてずっと思ってるんだけどね〜。
古いものたちは空間を、妥協しない場を要求するから。なかなか取りかかれない(笑)
このあと、畠山さんにご紹介頂いた通り沿いの盆栽屋さん「みくに園」へ伺いました。
ここがまた素晴らしいの一言。
オーナーの下村さんが、たったお一人で気の遠くなるような時間をかけてリノベーションさ
れた、もともとは麹屋さんを営んでいた建物。
盆栽のことを質問したことをキッカケに、下村さんに色々なお話を伺ってきました。
かかっている柱時計。この家を引き渡された時にメモが貼ってあったそう。
「この時計は私が生まれるずっと前からこの家を見守ってきてくれた時計です。良かった
ら、このままここに居させてあげてください。」
このお話を聞いて涙が出そうになった。ときを経てきたものに対する究極の愛。
「大変でしたねぇ。これぜんぶお一人でなさったんですか?」
「いヤァ。気が狂いそうになりましたよ。」
本当にすごいのです。ひとつひとつ丁寧に愛を持って再生させているの。
アイデアはあっても、それにかかる労力と予算に尻込みしてしまう人が多いんだろうけど、
それをやり遂げるパワー、この古い家に対する愛情、並みの神経じゃできない。すごいっ!
こんな風に素敵に再生されて家自体がすごく喜んでいるのがしみじみと伝わってきます。
お店から奥を見渡すと素敵な和室。ここで盆栽のワークショップをされるんだそうです。
店内には初心者でもわかりやすい苔玉や可愛らしい盆栽が並べてありますが、中庭には本格
的な盆栽が!鉢に鎮座する樹自体が100年、200年を経てきたものたち。
ひとつひとつに精霊が宿っている。素晴らしい。
あたし。三国町!マイラブ!なのです。
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