今年の夏の旅の最後の二日間の記憶をたどりつつ。とは言え今日はすっかり秋の気配ですね。
もう10月ですものねー。中秋の名月だ、今日は。
真夏の奈良。心からゆったりした奈良ホテルでの滞在のあと、東大寺へと向かいました。
あつー。めちゃくちゃ暑い日でしたー。南大門の仁王像も暑そー。
この吽形像は定覚、湛慶の作ね。阿形像は運慶、快慶作。
二像とも何の支えもなく自立してるらしい。不思議。9メートル近くあるのに。
阿吽というのは世界の始まりと終わりを顕わすんですって。鎌倉時代の寄木造りの傑作です。
大仏殿。日傘を差しながらテレテレ歩いている私をすっかり見限って、息子はスタスタと内
へ急いで行きます。ほんと好きなんだね〜。歴史物が。
修学旅行で観た時は何の感慨も受けなかったけど、こうして歳がいってから観てみるといい
お顔してますね。毘盧遮那仏。聖武天皇の発願。
ちなみにこの旅の最初に訪れた「道成寺」を建てた宮子は、聖武天皇の母上です(諸説では
紀州の海女の出であったとか)
そんなこんなの伝説を話して聞かせていると息子
「え。そうなんだ。不思議な話。この8本足の蝶も東大寺の七不思議って言われてるよね。」
「あ。そうなの?... 。蝶ってもともと何本足?」
ボケた質問をした私を一瞥すると呆れたように踵を返されました。あはは。
藤原宮子。聖武天皇。和歌山から奈良。
この旅の最初と最後が、なんとなく繋がりました。不思議ですね〜。
東大寺。来る度に好きになる。やっぱり奈良は古の都です。
そう言えば「奈良時代にいらしたことあるわよね。貴方は。」と言われたことがありました。
二月堂。ここの手水舎で小さかった息子の写真を撮ったな。どこにあるかな。探してみよう。
あの時はまだ母も元気で。急な階段を一緒に登ったな。懐かしい。最初で最後の母との奈良。
ひとりで初めて奈良に来たとき、涼しい風に吹かれながらここ二月堂の眼下に広がる風景を
見下ろすと一面に濃いピンク色のレンゲの花が咲いていました。絨毯を敷きつめたみたいに。
戒壇院へも行ってみたいと息子。え〜。まだ歩くのぉ?と声には出さず(笑)
二月堂からの緩やかな下り坂は、いかにも奈良的な景色が見られます。昔から変わらない。
「戒壇院の四天王が見たいんだよ〜。」
私のセンチメンタルな想いとは裏腹に元気よく坂道を駆け下りていく息子の声が響きます。
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