先日の岡山への旅。
くぼ先生にお会いして、少し継ぎを見て頂くのが当初の目的でしたが、年明けからまったく
進んでいない私の金継ぎ、ちょっと持って行くのが憚られて、今回は先生がお住まいの岡山
の美作(みまさか)地区のブラブラ歩きのみに徹してきました。
こういう予定を何にもたてない旅っていうのも、わたしはかなり好き。
中学入学前に息子と行った松山、西予市への旅も思いつきばかりのこんな旅だったな。
地図に載っていた写真に心魅かれて最終日に訪れた吹屋。岡山、高梁市に在る古い町です。
江戸時代より吹屋銅山を中心に栄えたところ。
当時の吹屋の豪商たちは一族の邸のみに豪勢な構えを施すのではなく、吹屋の町並み自体を
整えて、統一感のある美しい町を作ることに力を注いだんだって。
う〜ん。それ、なかなか出来ないよね。すごく先進的。そしてすごく美的。
寒風の吹きすさぶ中、人っ子一人いない吹屋に到着。
幕末から明治にかけ、硫化鉄鉱石を酸化・還元させてできるベンガラ(酸化第二鉄)の産地
とし繁栄を極めた吹屋。
これがそのベンガラです。当時は、磁器、漆器、外壁塗装などに多用されたらしい。
シーズンオフだからなのかな。
寒い底冷えする通りに、観光客は私とくぼ先生を入れてほんの数人。
ほとんどのお店がクローズでしたが、ひっそりと公開されている町家に入ってみました。
京都の様に、構えはそんなに広くないけれど、入ってみると奥に上に空間があってちょっと
迷路みたいです。くぼ先生を盗撮!
左脇の階段は奥二階の女中部屋に続きます。
わたくし、かなりこの階段から始まる狭い女中部屋空間が気に入ってしまい(笑)
これは前世で商家の女中だった過去世があるとみた。
そして、町のはずれまで歩いて見つけた高台の山神社(やまじんじゃ)のお社。
吹屋の産業が盛んだった頃は銅山の守護神として手厚く祀られていたようですが、昭和47
年に銅山が廃山になると過疎化が進み、こんな風にいまは荒れ果ててしまっています。
ご神体は高草八幡神社に移され、合祀されているとのこと。
鎮守の森も刈られてしまって、高台に吹く風の音により一層の寂寥感をかき立てられます。
1765年あたりの創建とか。
お社の龍や象の彫刻も素敵なんだよ。このまま朽ち果ててしまうのは悲しいな。
かつてたくさんの人々で賑わったであろう境内。
まだそのころの記憶がお社のそこかしこに残っていて、もう決して目覚めることのない長い
長い夢をみている感じ。廃墟にはそんな不思議な時空間がありますね。
さて。町で唯一空いていた食堂にお昼を食べに。おこわ定食。
寒いからおうどんにしようかと思ったんだけど刺身コンニャクがどうしても食べたくなって。
この日は、ほんっとに寒くて底冷えする天気でした。
食堂でお隣に座ってた70代とおぼしき男の方二人はきっと地元の方。
ひとしきり大本教の宗教のお話をされてて、興味あるからちょっと盗み聴きしたりして(笑)
こんなことがあるから、ほんと旅って面白い。
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