福井県、一乗谷の朝倉家屋敷跡。
何年か前の福井での仕事のあと、やはり春のこの時期に一人で訪ねました。
山に囲まれたなだらかな丘陵地に、屋敷跡や復元中の街並が点在していて、鶯やひばりが鳴く
のどかな場所。
戦国時代、この地で凄惨な戦いがあり、朝倉一族が滅んだ歴史があるなんて、こんな穏やかな風景を
見ながら誰が想像できるでしょうか。
有史以前から現在に至るまで、人間って本当に愚かさが変わらない。
戦っている内に、自分がなんのために戦うのか、なんのために生きようとしているのかさえも
わからなくなる。
何のために増殖し、なんのために破壊しているのか...。
ひとり、苔むした石垣に腰をおろして桜が散るのを眺めていると、
おろかなことをした。もういちどやりなおせるなら、みなとともにたのしくおだやかに
あたえられたてんめいをまっとうしたい。
そっと誰かがつぶやいている声が、傍らから聞こえてくるような気がしました。
悲しみや憎しみ、嘆きや絶望。
前世でのマイナスポイントを今生の「生」で生かさないと。
歴史を学ぶってことは「いま」をよりよく生き切るノウハウを得るってこと...でもある。
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