2012年6月21日木曜日

20代の半ば、小笠原の父島を訪れた時に、島在住の知人が真夜中のドライブに誘ってくれました。
その頃、夜でも明るい東京のど真ん中に住んでいた私には、想像もできなかった暗闇。
1m先に歩く人が、どんどん闇につつまれていってしまう恐怖。
あぁ、昔の人達は、夜になるといつもこんな闇を体験していたんだなぁ。

そんな世界の中では、当然、魔物やお化けや幽霊、そして精霊や天使達でさえも、私たち現世の
人間と同居できていたのでしょうね。
深い深い「闇」がある世界は、なんて奥行きのある世界なんだろう。
そして、そういう世界からしか「物語」は生まれてこないんだろうな。
折口信夫や柳田國男の世界...。

そんなことを考えるともなく考えながら森の中を進むと...美しく緑色にぼんやりと光る群生。
Green Pepe(グリーン・ぺぺ)です。
ミクロネシア、ポリネシアなどに広く分布し、日本では小笠原諸島や八丈島にしか生息しない、
ヤコウタケという種類のきのこです。
月の光も遮られる森の中で、点々と光る儚い緑色の群生が、なんとも言えない幻想的な雰囲気を
かもしだしていました。


もう一度、見る機会があるのかな。あの美しい光。


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