2012年6月29日金曜日

先日、古書店で購入した洋書。
タイトルは「THE TREASURES OF MOUNT ATHOS」
アトスの修道院に所蔵された、たくさんのビザンチン様式の絵をまとめて一冊にしたものです。
それはそれは素敵な紋様がそこかしこに描かれている本。

ギリシャのアトス山は世界遺産のひとつ。
9世紀頃から修道士だけが住む信仰の地で、正教徒以外の人は滞在期間が決められ、また1日8名
までと人数も規制されています。
そして西洋には珍しく女人禁制の地。


昔、古い友人がひとりアトスを訪れ、日中、いくつもの丘を歩いて越えて、その夜は修道院に
泊まった話を聞いたことがありました。
寡黙な友人は、多くの言葉でその時の想い出を語ったわけではないのだけれど。
私の目の前には、ぼんやりとしたロウソクの灯のともる粗い石造りの修道院の窓が見え、
日が落ちて濃い藍色のグラデーションに染まりだしたアトスの緩やかな丘が、映像を見るより
鮮明に頭の中をよぎりました。

地球上にはまだまだ誰も知らない秘密がたくさんあって、時々、小さい子供の様にひとつひとつ
の不思議の扉を開けてみたくなる時がある。


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