ここ数日の間に梅が咲き出しました。
ほのかな香りが大好き。上品でひそやかで、もっとも早春にふさわしい花。
この季節になるといつも思い出す鈴木春信の浮世絵「夜の梅」があります。
若い娘が早春の夜、咲き誇る梅の花を雪洞をかざして見ている図。
いまのように夜が明るくなかった昔、陽が落ちるとそれこそ漆黒の闇、ぬばたまの闇。
そんな闇の中に雪洞でぼんやりと照らし出された梅の花は、なんとも言えず幻想的だった
のではないでしょうか。
私もそんな真の闇の中で、この花を愛でてみたい気がします。あったかくしてね(笑)
静謐で冷たい夜の空気の中、気品ある梅の香りが漂ってきそうな春信の絵。
大好きな一枚。
ニューヨーク、メトロポリタン美術館蔵。
0 件のコメント:
コメントを投稿