いまはもう存在しない、銭函にあったバー「ユーラシア404」
札幌と小樽の間、函館本線の駅「銭函/ゼニバコ」から車で10分くらい走ったところの海岸沿い
にガラス張りのモダンな建物がありました。
お店の名前「ユーラシア404」は、ユーラシア大陸から404kmの場所にあるからなんだそう。
日本海に向けて180度視界が開けたガラス張りの店内には椅子がひとつもなく、直接、絨毯の
しかれたクシッションの点在する床に腰をおろします。
段々と夜のとばりが降りてくる頃、日本海沿いを走るライトをつけた函館本線が遠くから姿を現し
ゆっくりと近づいてきて、そして通り過ぎて行く。
晴れ渡る日も雪の降る日も、キャンドルが灯された店内は荘厳とも言える空気が流れていました。
何度か足を運びましたが、BGMのイメージはいつもグレゴリアン・チャント。
もしかすると、初めて訪れた時にチャントが流れていて、このお店の雰囲気と共にイメージの奥
深くに印象づけられたのかもしれません。
こんな空間を有したバーは、後にも先にも経験したことがありませんでした。
もともとオーナーの意向で10年の期間限定でオープンしていたお店。
惜しまれながらも2003年の春に閉店しました。
最後の日の閉店の時刻も、いつもの通り最終の函館本線が通り過ぎて行ったとき。
限りあるものは、本当に美しい。
後にここはオーナーのセカンドハウスになり、今は著名な芸術家(誰なんだろう?)に買い取られ
アトリエとなっているそうです。
札幌市内に、このオーナーの1軒目のお店「N43」があります。
ここは伏見の高台にあり、1枚ガラスの向こうには素晴らしい夜景が望めるのだとか。
名前の由来は北緯43度。
札幌の緯度からつけられた店名だそうです。
今度、札幌に行ったら、絶対行ってみよう...!
もう無いのですね 残念です 岡本
返信削除岡本様 コメントありがとうございます!
返信削除宵闇が訪れた日本海に降る雪をガラス越しにパノラマで眺められた不思議な雰囲気のある場所でした。本当に残念です。 yumi