六嶋由岐子著「ロンドン骨董街の人々」
この本を読んで、ロンドンのパーシバル・デビッド・コレクションが所有する「染付象耳大壺」
をぜひこの目で見たくなり、仕事の合間に出かけたことがありました。
今は大英博物館に全てのコレクションが移されたそうですが、当時は古い建物の中の実験室の
ような無機質な空間に、中国本土や台湾の故宮博物館、また世界の中枢たる大英博物館にも所蔵
されていないという貴重なインペリアル・コレクションが整然とディスプレイされていました。
拝観者は私だけ...(笑)
おかげで、この大壺の前で独り言を言いながら(かなり怪しい!)ゆったりとした時間を過ごす
ことができました。
ここを訪れる発端となった本「ロンドン骨董街の人々」には、ユニークでさまざまな人達が
あらわれます。
著者も希有な経歴の持ち主で、ロンドン大学卒業後にデビッド財団の修士課程を取得。
のちに、今はもうない「SPINK&SON」というロンドンの骨董店に勤務されていました。
この本には、骨董店の常連で国宝級の美術品は買っても飛行機はエコノミーしか乗らない大金
持ちの貴族のことや、ゲイで結局はエイズで亡くなった東洋陶磁器の素晴らしい目利きの同僚の
ことなど、魅力あふれる人々が描かれています。
そう言えば私も、20代の前半、まだこの業界に入る前に、日本橋の骨董店「壷中居」の面接を
受けたことがありました。
次席で落ちたけど...(笑)
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