2014年10月8日水曜日

no.697 ko-i-mari no some-tsuke

古伊万里とは、大まかには江戸時代に焼かれた伊万里焼きのこと。
そして伊万里焼きとは、陶磁器の生産地であった佐賀県有田で焼かれて近くの伊万里港から
国内外に運ばれた焼き物たちのことです。
青と白のシンプルな色合いのものは「染付け」と呼ばれ、いろいろと目移りはしちゃうけど、
やっぱり私はこれが好きなんだなぁ。
この器に食べ物を盛るだけで、なんとも言えない幸せな気分になる。

伊万里の染付けでは釉薬に有田近郊に自生する「柞/ゆす」という樹木の灰が使われている
そうで、これが、もとは茶色の染料コバルトを深みのある青に変えていきます。
本家本元、中国の景徳鎮の染付けの釉薬にはシダの葉の灰が使用され、明確なくっきりとし
た青が特徴ですが、この有田の柞の灰を使った伊万里の染付けは、徐々に溶け出してきたよ
うな濃淡ある味わいぶかい優しい青が特徴です。


日本の風土から生み出された日本の磁器たち。
空気、土、風、水、火。
ひとつひとつのエレメンツが化学反応を起こし、同じものを造ろうとしても、その土地土地
の風土にそくした独自の「美」が生まれる。

不思議だね。


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