2012年5月31日木曜日

Glenn Gould(グレン・グールド) 
デスク・ワークする時や夜のネット・タイムには、大抵この人の演奏するピアノの曲が私の
仕事部屋に流れています。

奇人、変人とも言われ極度の潔癖性。
真偽のほどはわかりませんがギフテッド(先天的に顕著に高い能力を有する人々)だったとも
言われていて、確かにピアノを弾いている時の彼には何かが降臨しています。
父親が作ってくれた、この折りたたみ式の低い黒い椅子じゃないと決して演奏しない。
鍵盤に手が乗っかるような姿勢で演奏し、猿がおもちゃのピアノを弾くようだと揶揄されたこと
もあるようです。
でも、それが逆にクリアで絶妙なタッチを生み出したとも。

彼の死の床には漱石の「草枕」の翻訳本と聖書が置かれていたのだとか。
奇しくもグールドは漱石と同じ50歳で亡くなりました。


高校生の時にいい加減な形で止めてしまったピアノを再開したのも、彼が弾いているバッハの曲を
私も弾いてみたかったから。
仕事が辛かった時も、不愉快なことがあった日も、自分の部屋でグールドのピアノを聴いていると
「まぁ..それはそれで...」という気持ちになります(笑)

私の永遠のアイドル。



2007年にお台場で開催された Gregory Colbert 「Ashes and snow」
ノマッディック美術館と命名された古代の神殿の様な館内には、漂うような音とナレーション、
セピア色の映像と写真が満ちあふれていました。
まるで遠い遠い神話の世界のよう。
深い祈りの空間。

コルベールは1992年から10年間をかけて、インド、ミャンマー、スリランカ、ケニアなど様々な
国々を訪れ、ゆっくりと時間をかけて野生の動物と人間との、この濃密で美しい映像をフィルムに
おさめてきました。



何かに狩られる様に一筋の道を歩む。

私が今生でまだ一度もやりとげていないこと。


2012年5月29日火曜日

これは郡上八幡の「やなか水のこみち」
観光として売り物にしようとしているのではなく、自然に古い景観を残している郡上八幡。
淡々として、あざとさがまるでない感じがとても気に入りました。

道行く人やお店の方達もとても親切。
フラットですごく穏やか、それでいて全然押し付けがましくない。
時間の流れがゆっくりしているからでしょうか。


そして...ここは「水の街」
街の至る所に清らかな水が流れ、昔からその水が飲み水となり洗い場のお水となり、人々の生活を
潤わせてきました。
寛文年間に整えられた用水には、今でもたくさんの鯉やアマゴが泳いでいます。
そして一番のシンボルは「宗祇水」
今でも美しい水が湧き出る、室町時代からの古事が伝わる湧水です。

川沿いには古い三階建ての住居が残り、滔々と流れる吉田川の水面に青空が映ります。
初めて訪れたのになんだか懐かしい感じがする街。

水が綺麗な土地に住んでいると、人の心まで清らかになるのかもしれませんね。


今日はお昼にレンタカーで名古屋を出て、岐阜県の郡上八幡にやってきました。
郡上八幡は古い街並みが無理なく残る穏やかで静かな街。
急な通り雨があったせいか、空気がより清々しく爽やかな風が吹いています。

ここは、以前から行ってみたいと思っていた場所のひとつ。
夏の盂蘭盆会に行われる「郡上踊り」が有名な所です。

お腹が空いたので、まずはお蕎麦を食べに鍛冶屋町の「蕎麦正まつい」へ。
ここは冬でもざるそばのみの蕎麦通が通うお店だそう。
私はお店の方お薦めのおろしそばを頼みました。
すり下ろした辛味大根をお蕎麦に絡めて頂くと...本当に美味しい〜!

あとで他のお店の方に伺ったら、この街で一番のおそば屋さんだったらしいです。
う〜ん、私って嗅覚働くぅ〜(笑)
お店の方も皆さんすごくフレンドリーで、この街の見所などを親切に教えて下さいました。


本当は今日自宅に戻るはずでしたが...。
あまりに郡上八幡が素敵なので、家族に無理を言ってここに一泊することにしました(笑)
どんな出会いがあるか...楽しみ!


熱田神宮に行ったあと、地下鉄に乗って大須商店街付近に行ってきました。
ここは縦横にいくつかの商店街通りが並び、人通りも賑やか!
観音様やお稲荷さん、お不動様の参道には所狭しと屋台が並び、いろんなお店があって楽しい所
です。
BGMも昭和歌謡あり、JAZZあり、80年代ポップスありで、それぞれの商店街が個性豊か。
吉祥寺のアーケードをもっと大きくしたようです。

商店街の中の「萬松寺」というお寺の側で長い行列ができていました。
並んでいたおばちゃんに聞いたら、毎月28日のお不動様の縁日に「身代わり餅」をついて人々に
ふるまう風習があるんだそう。
早速、長い行列の最後尾に並んで、身代わり餅なる「きなこ餅」をひとつ頂きました。


このお餅を食べた人は、お不動様の法力を授かり心身の患いが取り除かれるんだそうです。
今日は、熱田神宮の蛇といい、この身代わり餅といい...。

珍しいことが重なる楽しい1日でした。


2012年5月28日月曜日

熱田神宮の大楠。
樹齢1000年以上で、弘法大師がお手植えされたという伝説もあるのだそう。
何回か熱田神宮にはお参りに来てこの楠木を見ていますが、今日は本当にビックリする出来事が....。
楠木の根元、針金で覆った囲いの中に卵が5個ほど置かれていて、この木に住んでいる1匹の蛇が
それを食べに来ていたのです!

この蛇は青大将とのこと。1m以上はあるでしょうか。
ゆっくり樹をつたって降りてきて、自分の頭の2倍以上ある卵を時間をかけて飲み込んでいきます。
周りにいらした人たちのお話だと、こういう風景はなかなか見られないんだとか。
なんかこれからラッキーなことが起こりそうな予感(笑)

蛇って怖いイメージがありますが、可愛らしい目をしてますよね。
ご飯の後はまた樹の上に登り、ひなたぼっこをしていました。なんとも可愛い!


蛇は神様のお使い。
この楠木には、あともう1匹の大人の蛇と赤ちゃん蛇もいるんだそうです。

いつまでもいつまでもこの杜に住んで、穏やかな日々が続きますように!


今日はそのまま名古屋泊。
熱田神宮側の「蓬莱軒」へ行ってきました。ここは有名なひつまぶしのお店。
以前は木造の平屋建てでとても風情のあるお店でしたが、残念ながらビルに改築...。
それでも味は全く変わらない美味しさです。


どうも最近は身体の調子が悪く、昨日までの仕事でヘトヘトになっていた私でしたが、
ここの鰻でちょっと元気に(笑)

うちのお土産に鰻の山椒煮を購入しました。
久しぶりに満ち足りたお昼!


いま名古屋に来ています。
昨日は名古屋公演二日目。
これは開演前、コーラス楽屋での仲良しグループのショット。
制作のリエゾウ、コーラス・リーダーの陽子さん、今回上手(カミテ)コーラスのトラで入って
くれたヨンエちゃん、そして私です。
本当はこれにPAチームのアスカが入るはずでしたが、開演直前の用意のため参加できず。


ヨンエちゃんはさいたま初日と今回の名古屋二日目のためだけに、本当に大変な努力をして
参加してくれました。
全曲のライン、そして振りも全て覚えてきてくれて...。
おかげさまでとても素晴らしい結果となりました!
ミュージシャンのコーディネイトしている私は、全力でAyuちゃんをサポートしているメンバーを
観客席側から観ていて本当に嬉しかった。
今回、ヨンちゃんの後押しをして下さった音楽監督の信吾さん、リーダーの陽子さん、エスコート
してくれたTimさん& 制作のリエちゃーん!
素敵なステージになって良かったです。ありがとうございました。

そしてヨンちゃん。本当にありがとう!
I'm proud of you !!!


2012年5月25日金曜日

小桜姫物語/浅野和三郎著

ある冬の日の奈良。
旅先の商店街、電球の灯りがともる小さな古書店で、前から読んでみたいと思っていたこの本を
偶然見つけて...。
ちょうどその頃はスピリチュアリズムに興味を持ち出した頃で、大本教の流れからこの本の存在は知っていました。

浅野和三郎氏の妻、もともと霊媒体質であった多慶子を通して語られた、おそらく鎌倉時代に実在
した「小桜姫」の物語り。
彼女自体はあまり存命中のことは語りたがりませんが(戦い中の怒りや恐れ、悲しみなどの感情からもう既に遠ざかっているため、思い出すのが苦痛のようです)、亡くなった後、どのように目覚め、どのような経験を通して神霊としてのお仕事をするようになったかが語られています。


イギリス神霊学協会の基礎となったモーリス・バーバネルという有名な霊媒を通して語られた
「シルバーバーチ」という神霊の名言集は、全世界で出版されていて、こちらもとても素晴らしい
魂の導きの書です。
何を信じればいいのか分からない混沌とした今の時代。
もしかするとこういった書物が、暗闇の中にいる私たちの「気づき」の案内役になってくれるの
かもしれません。

何年も前に訪れた、三浦半島の海を見渡せる諸磯神社。
おそらく昔の風景のままののどかなこの場所に、小桜姫をお祀りする小桜神社(若宮神社)も
ひそやかに祀られています。


シャトー ドゥ ラ ガルディーヌ。
以前、ピーロート・ジャパンというワインの会社に友人がいた関係で、うちではピーロートの
ワインをよく飲みます。
ここは甘みのある女性的でフルーティーなブルーボトルの白ワインが有名!

このシャトー ドゥ ラ ガルディーヌは、深いブラックルビー色の辛口。フルボディ。
スパイシーでいながら、まろやかな余韻が舌に残る深みのある味。
バニラ、カシス、コーヒー、チョコレート、そしてペッパーの香りが混じり合って、複雑な
深い香りがします。
ボトルもご覧のように素敵!
上から見ると楕円形のユニークな形なのです。


なんで今日はこのワインを取り上げたかというと...。
先日の息子の運動会の日(私は出張中!)、お夕食のお寿司と共に冷蔵庫に寝かせていた
このワインを飲まれちゃったから(泣)

あ〜ん。あたしもみんなと一緒に飲みたかったよぉ〜。


2012年5月23日水曜日

今日は寒かった昨日と打って変わって初夏の陽気。
晴天の空に誘われるようにドライブに出かけました。
行く先は木更津市。
以前手に入れた本「休日のカフェめぐり/千葉編」に載っていた「ブラジル屋喫茶室」という
カフェに行くのが目的です。


私が頼んだのはコロンビア・スプレモとチョコレート・ケーキ。
豆もお店で焙煎し、ケーキも全て手づくりというブラジル屋。
珈琲はもちろんのこと、外は少しパリっとしていて中はしっと〜りの温かいチョコレート
ケーキもなかなかです!
帰りにビンに入った水だしアイス・コーヒーと、コーヒー・クッキーなるものをお土産に。
ご親戚だというお隣の落花生屋さんにも寄り、今年は豊作だった落花生を10%引きにして
もらいました。

帰りは近頃オープンした木更津のアウトレットにも立ち寄り、ブラブラとウィンドショッピング。
仕事合間のノンビリとした一日でした。

美味しいものを食べに行きたいって思えるようになったのは...少し体力回復した?(笑)


帯広、広尾町の親方と浩子ちゃんからアスパラガスをたくさん頂きました!
旬のお野菜は味が濃厚で本当に美味しい。
毎年この時期に送って下さるアスパラを、みんなで喜んで頂いています。
親方と専務、いつもありがとうございます!

アスパラガスって原産は地中海東部なんだって。
日本では、オランダ船が江戸時代に観賞用としてもたらしたのがはじめ。
明治時代の西洋化の波に乗って食用が始まったとのこと。


私は単純にボイルしてマヨネーズや塩で頂くのが好き。
ポトフに入れたり、スパゲティに絡ませたり、息子のハンバーグの付け合わせからサラダまで
本当に大活躍の食材です。

まだ日本人が海外に渡航するのが珍しかった頃の話。
フランスのレストランで川端康成氏が、出されたアスパラガスを細い白い指で実に優雅につまんで
食するのを見て、同席した岸恵子さんが「堂々としていながら素晴らしく美しい所作」に感心した
と言ってらしたことを思い出しました。

国際化、グローバル化とうるさく言う前に、基本は人間としての気品や品格が大事ってことかな。


2012年5月22日火曜日

昨日のお昼、新神戸駅に着いたら接触事故の為に大幅にダイヤが乱れていて...。
チケット売り場も長蛇の列(泣)
ダイヤが平常に戻るまで元町辺りをブラブラしようと思い、荷物をロッカーに預けて
地下鉄で出かけました。
旧居留地もちゃんと観たことがなかったので、この空き時間はなんだかラッキーな感じ(笑)

ここには神戸市立博物館もあるのですが、昨日は月曜日だった為に拝観できず。
この期間「南蛮美術の光と影」という展示らしく、以前、古本市で図鑑を買った「南蛮屏風
/泰西王侯騎馬図」も公開されている様子。
本物を見たかったなぁ...。残念...。仕方ないので正面に飾ってあった広告をパチリ!

お目当てのカフェも何かの撮影の為に休業でしたが、たくさんのハイブランド・ショップも
あって久しぶりのウィンドショッピング、結構楽しかったです!


20年以上昔に行った三宮高架下の商店街も歩いてみました。
変わらない古いお店が軒を連ねていて...ちょっとタイムスリップした感じ...。

20代の私が街のどこかにいたりして...ね(笑)



2012年5月21日月曜日

昨日は神戸二日目のコンサート。
Ayuちゃんの楽屋に神戸在住の古い知り合いから、陣中見舞いのお花が届きました!
そして昨日のコンサートもご家族で観に来てくれて。

薄井さんご夫妻は明石にアトリエを持つ素敵なお花屋さんです。
お嬢さんのキュートなLEEちゃんは小学校6年生。


お花って限りある命だからこそ、一瞬の儚い生だからこそ、尊い輝きを放つものなんですよね。
永久に輝く宝石とは違う、生きている美しさ。
そんなお花を扱うことを一生のお仕事にしているなんて、とても羨ましく思います。

神棚の横の「sei-u」のお花。
Ayuちゃんのマネージャーさんが、公式ツアーブログにも写真を載せて下さいました。

カメラを持って行ってたのに、LEEちゃんとのお写真撮るのを忘れちゃった〜。
今度また写真撮らせてね〜!
次回お会いする時にはもっと「嵐」の情報、ゲットしときます(笑)




2012年5月20日日曜日

昨日から神戸に来ています。
19日は息子の運動会。またもや参加できない私は、残念な気持ちで家を出発しました。
でも、息子は「ベビー・シッターズ」の登場に元気いっぱい!
何かの競技で3等だったらしく大はりきりだったようです(笑)

昨晩はバンドメンバーと若いスタッフとの親睦会。
いつも行く、三宮の「愛愛」という台湾料理のお店で大盛り上がりでした。
ここの金華ハムチャーハンは絶品。
紹興酒が8本も空いて、2次会にも流れ久々に深い夜でした...。


神戸は落ち着いた街。
ホテルも新神戸の駅の側 ANA CROWNE PLAZAですが、高台の静かな雰囲気です。
窓のすぐ側に新神戸ロープーウェイがあります。まだ乗ったことはないけど。

新緑の清々しい日。




2012年5月17日木曜日

メイン州のポートランドは 5回位訪れたでしょうか。
アメリカ東海岸のとても美しい港町。
シーズン中は観光客で賑わいますが、シーズンが外れると自然と対峙するだけの静かで
落ち着いた街になります。
煉瓦造りの建物が多く、文化都市ボストンにも似ている。
私の大好きなメイ・サートン(1912〜1995)というアメリカの女性小説家も、終の住処
としてメイン州の海辺の家を選んだそうですが、私も人生の最後にはこんな美しい街を
選ぶかもしれません。
メイ・サートンの本「夢見つつ深く植えよ」
自分のこれからの生き方を示唆されているようで、この本には深い感銘を受けました。


ここに来る前にNYで買った深緑色のTシャツには、大きくマリア様が描かれていました。
交差点を渡っていた私にビルの窓から手を振りながら「 I  Love  your  T-shirt  !!! 」の声。
そして「Where did you buy〜??」(笑)
お夕食に食べたオイスターやロブスターと共に、楽しいポートランドの想い出です。

写真はいつも泊まっていた Portland Regency Hotel の界隈。
街中にはカフェや雑貨屋さん、可愛いジュエリーショップや素敵なレストランも多く、今度は
プライベートでゆっくり訪ねてみたい場所のひとつです。




夕方のブエノス・アイレスの街。
道路の脇に、こういったもう動かない車がたくさん放置されていて、普段あまりにも明るい
イルミネーションに慣れている私達には、ちょっと怖くなるような「闇」を抱えている街。
タクシーで空港に向かう私がぼんやりと窓から外を見ていると、信号で停まった車の側で
「え〜っ。これ何人?」っていう不思議そうな顔で子供達が見ています。


私が手を振ると最初はおずおずと手を振り返していましたが、段々と満面の笑顔。
信号が青に変わって車が発進すると、見えなくなるまで大きく手を振っていてくれました。

豊かであるとかないとか、そんな表面上のことは人間の「幸福感」には何も影響しない。
どの国にいてもどこの街角に立っていても、揺らがない唯一無二の「わたし」でいたいと
旅に出るたびに思います。



NYの Grand Central Station。
海外のコーディネイトをしている時に度々訪れていたニューヨーク。
ある時は爽やかな夏の季節に。
またある時はクリスマスのイルミネーションのきらびやかな季節に...。


ここはデニーロとメリル・ストリープの映画「恋に落ちて」や「インデペンデンス・デイ」など、
撮影でもよく使われるとても絵になる場所です。
1871年に完成したマンハッタンの歴史的建造物の代表格で、古典主義的ボザール様式の素敵な
ターミナル。床は総大理石。

この時は、アーティストの希望でアルバムに載せるスナップ写真を撮るためと、ボストンに行く方の
列車のチケットを賈いに出かけたんだった。
通勤客や観光客。早足で歩くたくさんの人々。
ここの一人一人がそれぞれに家を持ち、家族を抱え、普段は何を思い、いったいどんな生活をしているんだろう...なんて想像するのが楽しかったな。
ほんの一瞬、同じ場所ですれ違い、言葉を交わした、もう二度と会わない人達...。

1966年に再開発のために取り壊しが決定したこのターミナルを、NY市の人達、そしてジャクリーン・ケネディ・オナシスが反対運動を起こして守ったんだそうです。

それは...自分のアイデンティティを守ることでもあったんでしょうね。



2012年5月15日火曜日

夏目漱石フリークだった私。
学生時代は課題図書だった「坊ちゃん」位しか読んだ事がなかったのに、大人になってから
読んだ「草枕」から結構ハマりました。
ちょうどこの時期に明治・大正期の建築物や街並みにも興味を持ち出したところだったので、
相互作用でその頃の時代背景がうまく想像できたのかな。
小説でありながら、実際に映像でも観ているかのように想えたものです。
私も草枕の先生のような非人情な「旅」を心ゆくまでしてみたい。


私がイギリスに魅かれたのも、あながち漱石の影響がないわけではないと思う。
ロンドンでも、度々、漱石の足跡を辿ったりして...。
古い街並みを意識して残しているイギリスでは、このブループラークで以前ここに歴史上の誰が
住んでいたかを表記しています。
漱石は何回か下宿を変えましたが、これは Claphan common にある最後の下宿に掲げられたブルー
プラーク。

この下宿の向かいにロンドン漱石記念館もあり、ここにはロンドン時代の漱石の記録や書籍などが
たくさん残されています。
恒松郁生さんという方が館長をしておられ、当時は直接この方から漱石に関するいろいろなお話が
聞けて楽しかった。

あの頃は、いろんな所に行ってて、たくさん時間があったんだなぁ。
いまは逆に時間の使い方が下手になってきてるのかしらー(笑)


雨の日...。
雨の音を聞きながらベッドに横になっていると、とっても幸せな気分になりますね!
ここのところ、ずっと体調が悪いので、なんだか雨の音に癒されています。
風邪だとばかり思っていて処方された薬を飲んでいたら、極度の食欲不振と身体中に筋肉痛の様な
痛みが出て。薬って合わないと本当に怖いです。


昨日は、気の合う仕事仲間の人達と三軒茶屋で焼き肉!?
体調がいまひとつなのでお酒はとても飲めませんでしたが、和気あいあいの雰囲気にパワーを
もらって、何日かぶりにちゃんと食べられました。
仕事をしていく中ではストレスを感じることも多いけれど、こんな風に愉快に語り合える人達が
周りにいてくれるから頑張れるのかも!

今日の雨に、心の中にも潤いをもらって、また土曜日から頑張りますか(笑)
今週末は神戸に向かいます。



2012年5月13日日曜日

息子の風邪が伝染り、ここ1週間ほどめちゃくちゃ体調が悪く....。
喉が痛くて微熱が下がらないまま、週末の横浜アリーナの仕事に入っています。
昨年の Power Of Music ツアーの時も、ちょうどこの時期、身体中にジンマシンが出て40℃以上の
高熱の毎日。そんな中、車で都内のスタジオに通い続けて深夜まで...。
いま考えると「よくもったなー。ちょっと危なかったよなー。」なんて(笑)

時期的なもの、あと年齢的なものがダブルで重なって、時々いろんな症状が出てくるんでしょうね。仕事中は緊張感でもつんでしょうけど。

今日は母の日。
今朝も具合が悪く、ホテルのベッドで目を覚ました途端に息子からの電話。
「今日は母の日だから、ママに電話したよ!」とのこと。
体調が悪く仕事でもトラブルがあって気分も落ち込み気味でしたが、ちょっと元気になりました。
家族がいる生活って、いろいろ大変な面も多いけど....。
こんな何気ないサポートがとっても嬉しく感じられます!



写真は先日行った白山比咩神社所蔵の木製狛犬。鎌倉時代の作です。
すっきりと背をそらして胸を突き出したフォルム。毛並みを感じるさせる繊細な彫り。
今にも動き出しそうな躍動感を感じさせる逸品です。

白山比咩神社の宝物館所蔵。



2012年5月9日水曜日

大阪、河内長野市の天野という所に金剛寺はあります。
聖武天皇の命により行基が建立、空海も修行したとされる古刹。
南北朝の時代には、一時期、南朝方と北朝方の天皇が軒を連ねていたとされる歴史的な場所です。
最近、私がここを訪れたのは3年前の新緑の頃でした。

お寺は広々として、ゆったりと呼吸しているかのよう...。
故来、日本の建物は、自然の中で違和感無く一体化していくことを第一義としていたのでしょう。
現代という時代は、その頃の「人と自然の在り方」を参考に、私たちの「生き方」自体をいま一度
考え直す時期にきているのかもしれません。


金剛寺は南北朝以降、戦火にあっていないため文化財も多く残っています。
私のお目当ては日月山水図屏風(作者不詳)
15世紀か16世紀頃の作と言われていますが、詳細はいまだわからず...。
年に2回しか公開されないので、まだ一度もじかに見たことはありません。
今年の2回目の公開は11月3日。
ぜひ今年こそ、この日は金剛寺を訪れてゆっくりと拝見してみたいものです。

訪れた時のお寺の周囲は、まさに春・夏の風景を描いた屏風の絵、そのものでした。
秋も終わりの11月のその頃は、もう一対の秋・冬の景色を見せてくれるのでしょうか。


TV朝日で仕事がある時に、時々寄ってご飯を食べるカフェ・シンガプーラ。
六本木ヒルズのすぐ側にある、ご覧の通り素敵なシンガポール料理のお店です。
いつもは車なので飲めませんが、たまにはお酒と共にゆっくりお食事を堪能したいなぁ〜。
何をオーダーしても美味しいですが、特に私のお気に入りはソフトシェルクラブの生春巻きと
スペアリブの黒酢がけ。最後はやっぱり海南チキンライスで締めでしょうか。


近くに麻布十番の商店街もあって、この界隈は、空き時間にブラブラするのにもってこいの
場所です。
お昼に「更科」でお蕎麦を食べて、たぬき煎餅でお土産を買って、角のTSUTAYAで洋書や
DVDをチェックした後は、ヒルズの中をブラついて...ちょっとくたびれたら「TORAYA CAFE」
でスイーツと一緒にお茶もいいですね。
森美術館もあるので、たまに息子と2人で出かけます。
本好きの彼はここの大きなTSUTAYAに入ったら最後、出てきません(笑)

仕事の打ち上げが、よく森タワー52Fの「Mado Lounge」で行われます。
今年の元旦は年末の Count Down Live の打ち上げで、そこで初日の出を迎えたのでした...。

2012年5月8日火曜日

London の Covent Garden/Neal Street にある「THE TEA HOUSE」
世界各地の数百種類のお茶を扱っている可愛いお店。
中に入ると、壁一面にズラーと様々なお茶が箱に入ってディスプレイされています。
ここはお値段も良心的で、パッケージや自宅用につつんでくれる紙袋も可愛い!
プレゼント用には木箱のパッケージもあります。



私はここの Spice Tea が大好き。
正式な名前を忘れましたが、ここのSpice Tea、他では味わえない位の強烈なスパイス味です。
最初に買った時は「あ〜失敗しちゃったかなぁ〜」なんて思いましたが、飲み続けている内に
妙にクセになってしまい...。
それからはロンドンを訪れる度に買う必須アイテムとなりました。

この近くにあの Neal's Yard もあります。
オーガニック野菜を扱ったデリもあり、観光客だらけだけど必ず訪れる場所。
このエリアにある地図専門店「STANFORDS」で、ベルギーで運転するため用のロード・マップ
を買ったんだった。
ここには世界各地の地図が置いてあります。もちろん東京の詳細マップも。
時々、仕立てのいいスーツをお召しの紳士が、ゆっくり古地図を眺めていたりもします。

壁一面のお茶のディスプレイといい、このお店の地図の豊富さといい、そして大英博物館のいつ
行っても違う展示の奥深さといい...。

やっぱりイギリス人ってすごいかも。


初めて香港を一人で旅した時、香港島の骨董街で買った陶器の猫の枕。
夏の暑い時期にこのひんやりした陶製の枕で快眠を...!ということなんでしょう。
でもこの固さで果たして快眠できるんでしょうか?(笑)

昔の香港の骨董街、摩羅街(キャットストリート)は、いまほど道も整備されていなくて、
雑多で混沌とした、ちょっと怪しい雰囲気でした。
整然と始皇帝の時代の兵馬俑を売る高級店もあれば、店先にガラクタを積み上げただけの露天商に
毛がはえた位のお店もあり、ブラブラと見ているだけでもとても楽しかった。


この枕を買ったあと、とてもお腹が空いていた私は地元の人が行く小さな食堂に入りました。
英語まったく通じず。
衛生的にもどうなのか...と思いましたが、いい匂いはするし、最初は一人で入って来た外国人の
私をチラチラ見ていたお客達も、その内、全く気にせず賑やかに食事を再開していて居心地は悪く
ないし、段々観察するのが面白くなってきました。
蝦団子麺をオーダー。これさっぱりしてて大好き。

円卓の私の目の前の日に焼けた肉体労働者風のおじさんが、ちょうどご飯を食べ終わったところ。
残したご飯にタバコの吸い殻を押し付けて火を消しているのにはビックリしました。
衛生の観念がまったく違うんだなぁ。あと食に対する感謝の気持ちも。
目を丸くして見ていた私に、見られてる訳がわからないおじさんは、とりあえず「にっ!」と笑う。上の前歯が2本欠けててすごい人相...。
驚きながらも庶民レベルの国際交流のために、にっこり微笑み返してみた私でした(笑)

こんな出来事があるから...旅って本当に楽しい!

2012年5月7日月曜日

息子が小さかった時は、新緑の季節によく旅行に出かけていました。
小学校に上がるとなかなかお休みが合わなくて。
あと一般の休日に出かけざるを得ないので、私が大嫌いな人ごみを我慢しなくちゃならないし...。
最近は遠出するのもちょっと躊躇しちゃっています(泣)

何年か前の初夏に出かけた奈良ホテル。窓からの新緑。
よくわからないまま神社仏閣を連れ回されたので、息子はポカンとしていましたが、もしかすると
本人の「歴史好き」はこれが発端だったかもしれません。



この時は、以前スピリチュアルな人達の聖地にもなっていた「天河神社」や吉野川沿いの「丹生川上神社」にも行ったなぁ。
いずれ彼が読むであろう中沢新一や梅原猛、中上健次、宮本常一、白州正子から和辻哲郎に至るまで必要な書籍はずっと書棚にそろえておこう。
いつ彼が手に取ってもいいように。

新緑の頃に行ったあの時の奈良。
息子の細胞の中に、こういった場所の様々な粒子が組み込まれていて、いつかそれが大きく芽吹いてくれればいいな...と思っています。


昨日は夜に自宅に戻りました。
GW最終日とあって空港はどこもすごい人。
飛行機も1時間ディレイして、家に着いたのは9時過ぎでした。

一乗谷で見つけた仏様。
涼しげな木陰に夢見る様に座っていらっしゃいました。
とても優しいお顔立ち。
「写真を撮ってもいいですか?」と断わって一枚撮らせて頂きました。

木漏れ日がチラチラと揺れるこんな日も、全てを埋め尽くす様な雪の日も、ここにじっと座って
いつまでも終わらない夢を見ている。
自刃して果てた朝倉義景の墓所の近くにある石仏たち。
鮮やかな新緑の中に、名も無い小さな墓標やほとんど崩れてしまった石組み、風雨に晒されて
お顔がわからなくなったお地蔵様などが、一列に並んでただひっそりと在りました。



歴史をよく理解していなかった学生時代は、今川義元と朝倉義景をたまに混同していた(笑)
朝倉家は、ここ一乗谷に時の将軍や名だたる公卿達も招くほどの文化人。
残っている義景の肖像画も知的で聡明な顔立ちです。
朝倉家が滅亡後、ここ一乗谷は朽ち果てて、時代が下るとその上に広く水田が作られて...。
遺跡は多くの文化財とともにずっと眠っていたのだそう。

すべてのことは...ただ春の夜の夢のごとし。


2012年5月6日日曜日

お昼からどんどん雲が切れて、午後に福井は快晴となりました!
このまま雨だったら、ホテルでアロマ・マッサージでも受けてそれから空港に向かおうかなぁ...
なんて思っていたのですが...。
お日様の光に誘われるままに「一乗谷朝倉氏遺跡」に向かいました。

ここは織田信長に滅ぼされた朝倉家の邸跡。
朝倉家に仕えていた家来やそれに伴う町民達の住宅が復元されていて、その時代の街並や庶民の生活が手に取る様にわかり...自分もその時代に生きているかのような錯覚に落ち入ります。
蛙の声がどこからともなく聞こえ、空にはトンビが悠々と舞って...。
爽やかな風が通ると、空気に樹々の香りがします。
なんだか大きく深呼吸をしたくなるような場所です。

ゆっくり散策する前にまずは腹ごしらえ...と思い、遺跡の近くの古民家を改造した「利休」という
お蕎麦屋さんに入りました。
頼んだのは、冷たいお蕎麦と春野菜の天ぷら。
お蕎麦にコシがあって、塩で頂く天ぷらも春野菜特有のほのかな苦みがあり...美味しい!
今日のお昼は大正解。



奥からはNHKの「のど自慢」の音声が流れてきて...。
田舎のおばあちゃん家に遊びに来ているような、そんな気持ちになりました(笑)


今朝の福井は雨。
雷もときおり鳴っています。
雷が鳴ると、私は何故か「龍」が天上を駆け巡って雨を降らせている様子が目に浮かんできます。

考えたら「龍」の一字が入っている息子の名前は、ここ福井に出張に来た時に思いついたんだった。
まだ雪が残る時期、小松空港に着いて車で移動している時に、水墨画の様な九頭竜川を見て
「あぁ。綺麗。この川の龍の一字を名前に入れたい」と思ったことが発端。
福井で雷の音を聞いて、そんな10年前の自分を思い出しました。



もともと龍は、中国で麒麟・鳳凰・霊亀の三神とともに神話上の神として尊ばれ、天候を司るもの
として恐れられてきました。竜巻も龍の字が当てられますよね。
日本では天候の神=水の信仰と合体し、龍神様として古来から各地で信仰されています。
ここで仏教上の十一面観音とも習合され、いろいろな逸話や仏像、絵巻物、神社仏閣などが残されることとなりました。

息子の剣道の胴着には、姓と名前を合わせて「小龍」と刺繍されています(笑)
そう言えば自分のことを「ボクは龍神様の子供なの。だからパパがいなくても怖くないよ」と
4歳くらいの時に言いました。
その時は誰かが教えたことをそのまま言っているんだろうと聞き流しましたが、その後、誰に聞いても「そんなこと言ったの!?」というばかりで...。
いま考えると不思議ですね。

写真は江戸時代の浮世絵師、谷文晁(たにぶんちょう)の「龍」
龍神様。これからも息子をよろしくお願いします。

2012年5月5日土曜日

曹洞宗大本山「永平寺」にも行ってきました。
深山幽谷という言葉がふさわしい、全てのものが緑に染まるような所です。

ここの参道のあるお店で売っているお線香が、うちの家族のお気に入り。
永平寺「吉祥香」というこのお線香、何故だかここでしか手に入らないのです。
ネットで探しても全くヒットしないのですが、とにかくいい香り。
お店のおばあちゃまに聞いたら「昔はもっといい香りが強かったんだけどね〜」なんだそうです。

お線香とお土産を買ったあと、もう何度も訪れているので「どうしようかな〜?」と思いながらもやっぱり永平寺に参観。
全国各地から曹洞宗の若いお坊さん達がたくさん修行に来ています。
映画「ファンシィダンス」のよう。
起床は午前3時半だそうです。
こんな場所で、ご奉仕して過ごす何年かがあるなんて本当に羨ましい。
きっと歳を取って人生を振り返った時、清らかで満ち足りた時間を永平寺で過ごしたこと、
鮮明に思い出すんだろうなぁ。



あぁ、息子にもここで修行させた〜い(笑)
曹洞宗のお寺の息子じゃないとダメなのー?


小松空港までメンバーの皆様を送り、その足でレンタカーをして白山比咩(しらやまひめ)神社
に向かいました。
今日は久しぶりの快晴!
すっきりした雲ひとつない青空に山々の緑が本当に綺麗でした。
一口に新緑と言ってもいろんな緑があるんですね。
たくさんの山々に様々な緑が重なり合って、さながら手の込んだ鮮やかな織物のようです。

白山比咩神社は白山を神体山とする全国3000社の白山神社の総本宮。
白山信仰の中心地として今も厚く敬われています。
主祭神は菊理媛神(くくりひめのかみ)
木の香りも爽やかなご神殿に涼しい風が吹き抜けて、ご神域の中に身を置いているのがあまりにも
心地良く、いつまでもその場を動きたくないような...。
近くを流れる手取川のせせらぎの音も聞こえ、空高くトンビも舞って、しばし俗世の出来事を忘れるようなひと時でした。
今日は5月5日。
参拝者も多く、お宮参りの赤ちゃんを連れてご祈祷を受けるご家族連れも見かけました。



信仰心というのは、心のより所。
目に見えない、でも心で感じる絶対的な「何か」を素直に信じることができれば、不安も恐れも
なくなっていくのにね。
若かろうが年を取っていようが、人間「素直」が一番!
最近よくそう思います。
大自然を司っている大きな存在の前では、私たちなんてミジンコ以下の微小な存在。
素直でいるくらいしか、存在意義を証明できるものがないもの。


昨日から福井県に来ています。
福井は昨日、今日と雨。
時々、雨脚が強くなる寒いくらいのGW後半です。

サンドーム福井でのコンサートも無事終了。
お夕食は例年通りバンドのメンバーと、二日間とも福井市内の「くろ川」という和食のお店に
通いました。
メンバー全員が、福井に来たら絶対立ち寄るという「くろ川」
ここは、お造りから天ぷら、大将の手打ちのおそばから最後に食すヘシコ(鯖に塩をふって
糠漬けにした保存食)のお茶漬けまでが全て絶品!
大将の眼鏡にかなった旬の美味しいお魚を出してくれます。そして価格はとっても良心的。
今回は特にノドグロ(アカムツ。上品な味わいの白身のお魚。高級魚!)の焼き物が感動的に
美味しかった。
旬は秋から冬らしいけど、まだ少しは市場に出回っているみたい。
心癒される美味しさです。



いつもコンサート終わりで伺うので遅い時間になってしまうのですが、イヤな顔ひとつせず
黙々とお料理を作って下さる大将。
またゆっくり、今度はプライベートで伺いたいなー。

2012年5月2日水曜日

愛媛県、松山市。
ここ数年、何度かa-nationという夏のイベントで訪れています。

一時期、夏目漱石にハマった時期があり、松山も漱石の教師としての第一赴任地ということで
親しみがありました。
漱石と子規、双方ともまだ歴史に名を残す前の若かりし頃に一緒に住んでいた下宿「愚陀佛庵
/ぐだぶつあん」が街中に移転され残されています。
雨の中、そこを見に行った帰りにちょうどその裏手にある「萬翠荘」を見つけました。


ここは旧松山藩主の子孫、久松家の別邸として大正11年に建てられたお屋敷。
皇族方が松山を訪れる時には必ずここにお泊まりになったそうで、当時のそういう方々をお迎え
するにふさわしい重厚な建築と優雅なインテリアに囲まれています。
中央に位置する吹き抜けの階段、真正面のステンドグラス。
輸入物と思いきや、木内真太郎という当時の日本人作家の作だそうです。
こういった様々なテイストのミックスチァーが、古来からの日本文化の特徴なのかもしれませんね。
神道とのちに渡来した仏教をミックスしたように、あくなき好奇心でいろんな外来文化を自分の
テイストにおいて融合させていく感じ。

自分の審美眼で形式にとらわれずに配置する。
これ大事じゃないかな。人生の生き方の指針としてもね(笑)
〜様式というものだけで統一されている建物やお部屋は、整然とはしてるけど何故か人をリラックスさせない。
それは型にだけはまっていて、温もりや息づかいがないからかな。

私が自分の部屋で唯一心がけているのは家具の色の統一だけ。
そこだけは一本化して、他はさまざまな好みのアイテムを組み合わせていくようにしています。
その方がガッツリ決めるよりオリジナリティーがあるし...ちょっと間が抜けているところに
愛着を覚えますよね(笑)


2012年5月1日火曜日

息子のベビー・シッターズ(笑)
生後3ケ月の時に仕事復帰しなければならなかったシングル・マザーの私は、本当にどうやって
この子を育てていけばいいのか...と一瞬途方にくれました。
ただ昔から逆境には強い性格。
あの頃は戦車の様に仕事と育児とを両立させてたな〜。あまり記憶がないくらい(笑)
姉や母、亡くなった父の支えがあっての「いま」の生活。 多謝。

そして忘れてならないのが、この方たち。
本当に親代わりで息子を育ててくれた橋本ふさよさん。
ほとんど背の高さが変わらなくなった今も、大事な息子のマブダチ「ブーちゃん」です。
高校時代からの親友、ホソ。姉のお友達の田代さん。そして昔から仕事でご一緒していた
マニュピレーターの堀内君。あとこの時の写真には写っていませんが、シャープ王子(アキバ系
のイベント出演時の呼び名だそうです)の井口君。

時間が空いている時には、皆さん遠路はるばる息子のケアのためにうちに通って来てくれて、
オムツを替えたりミルクをあげたり、熱がある時には泊まり込みで看病してくれたり、時には
一緒に旅行していろんな経験をさせてくれたり。
今の息子があるのは、本当に皆さんのおかげなのです。


ここ数年、仕事で5月の運動会には絶対参加できない私に代わって、強力なこのメンバーが息子の
応援隊で毎年駆けつけてくれます。
こんなにたくさんの身内以外の大人に、大事に大事に可愛がられて育った幼い頃の想い出は、
息子が大人になった時にきっとかけがえのない心の礎(いしずえ)になるんだと思います。

皆さん。いつも本当にありがとう!


私の仕事部屋のソファで眠りこける、うちのもう1匹の猫「ピッチ」です。
3才くらいの女の子。
命名は息子で、もらわれて来た時「子猫のピッチ」という絵本の挿絵の猫に似ていたからだそう。

まだほんの子猫だった時に中学校の野球部の部室で飼われていて、母の知り合いだった野球部員の
父兄から「もらってくれないか?」と頼まれてしまい、仕方なくうちで飼うはめに。
家に来た時は噛み癖があるし、針の先のように尖ったツメでひっかくしで、さんざん苦労
させられました。
うちの猫はミントを始め、代々おっとりした「良い子」ばかり。
あまりに手がかかる異端児の登場に「学校に返してきてよ〜!」と何度キレたことか。


ピッチは段ボール箱が大好きで、宅急便などの箱があると必ず一度入ってみます(笑)
それで気に入るとそのまま眠ってしまい、ご飯まで出てこないこともしばしば。
なんでこんなに段ボールが好きなのか皆で考えたところ、たぶん捨てられていた時に段ボールに
入れられていて、中に入ると安心するんじゃないか...という結論に至りました。
そんな想像をしたら、なんだか可哀想になってきて...。

そこから一念発起した私が親猫のごとく厳しくしつけました。
噛んだら噛み返し、可愛がりながらもハードに叱り飛ばし(笑)
今ではその教育の甲斐あって、なかなか可愛らしいお茶目な猫と相成りました。

私の猫ミントは、相変わらず彼女が苦手なようですが...(苦笑)