2012年6月29日金曜日

先日、古書店で購入した洋書。
タイトルは「THE TREASURES OF MOUNT ATHOS」
アトスの修道院に所蔵された、たくさんのビザンチン様式の絵をまとめて一冊にしたものです。
それはそれは素敵な紋様がそこかしこに描かれている本。

ギリシャのアトス山は世界遺産のひとつ。
9世紀頃から修道士だけが住む信仰の地で、正教徒以外の人は滞在期間が決められ、また1日8名
までと人数も規制されています。
そして西洋には珍しく女人禁制の地。


昔、古い友人がひとりアトスを訪れ、日中、いくつもの丘を歩いて越えて、その夜は修道院に
泊まった話を聞いたことがありました。
寡黙な友人は、多くの言葉でその時の想い出を語ったわけではないのだけれど。
私の目の前には、ぼんやりとしたロウソクの灯のともる粗い石造りの修道院の窓が見え、
日が落ちて濃い藍色のグラデーションに染まりだしたアトスの緩やかな丘が、映像を見るより
鮮明に頭の中をよぎりました。

地球上にはまだまだ誰も知らない秘密がたくさんあって、時々、小さい子供の様にひとつひとつ
の不思議の扉を開けてみたくなる時がある。


初めて上海に行ったのは、もうかれこれ20年前。
その時は、すずめの羽の色をした街で、歩道橋に子供の物乞いが寝転んだままお金をせがんで
きたりして本当にびっくりした。
まるで教科書や映画で見た戦後すぐの東京のよう。
暗く、寒く(冬だったので)、人々はみな同じ様な服を身につけ、自転車が通りにいっぱい
走っていて...。 舗装されていない、あの路地の匂い。

そして二回目に仕事で訪れた時は、そのたくさんの自転車は今度は台湾の様にオートバイに
変わり、連なっていたすずめの羽の色の民家をパワーショベルがどんどん壊してビルを建設中。
外に出て1時間もすると砂塵で息苦しくなり...。
川は黒々とうねり、バンドの川沿いで太極拳をする人達は、こんな空気ではかえって身体に
悪いんじゃないかと思ったりして。

そしてごく最近訪れた上海は...まるで別の世界。
高層ビル。行き交うセレブチックな人々。一流ブランドショップ。高級外車の渋滞から発せられ
るけたたましいクラクション。かたや上海駅で、大荷物を背負い肩を落とした労働者風の人達や
子供に物乞いをさせる親。

こんな急激な変化は人にも環境にも絶対よくない。
中国は...あのパワーあふれる人々は...いったいどこに進んでいこうとしているんだろう。
次の時代を担うであろうこの力強い民族の今後が、地球の未来さえも左右するっていう現実。


東台路古玩街。
露天の骨董屋が軒を連ねる中で、急な雨に降られて傘を求めて入った雑貨屋に可愛い4才の
男の子がいました。
身振り手振りで私にも同じくらいの息子がいるよと伝えると、若いお母さんと2人で本当に
嬉しそうに笑ってくれた。
あの古いお店も壊されて、あの子達もどこかに行ってしまったのかな。
一瞬だけ言葉を交わしたあの二人の幸せを、つい時々、祈ったりしています。

普通の人々に普通の生活と普通の幸せがある。それだけで充分じゃないのかなぁ。


2012年6月28日木曜日

インターネットのオークションで森田曠平の「立美人」を購入しました。
通常のお店で購入するより半額以下の価格で落札。
よく真偽のこととか神経質に気にされる方がいるけど、ネットでの売買でも店頭での売買でも
基本は自分の審美眼に頼るしかないと思う。
もちろん私も真偽は気になりますが、騙されたのなら騙された私が悪い、という考え。
あと...少しは失敗しないと、眼が肥えない(笑)

今日、品物が届きましたが、以前から持っているこの作家のリトグラフと同等レベル。
想像していた通りでしたので、早速、お玄関にかけて楽しんでいます。
お着物に菖蒲が入っているので、ちょっと前の季節感だけど、まぁいいか(笑)


こういった美術品とか骨董品って一瞬の出会いだから、ピッとアンテナにきた瞬間に買わないと、
もう一生出会えなかったりする。
買えないっていうことは、まぁ縁がないっていうことなんだけど。

今でも思い出すのは、早春に訪れた奈良の骨董屋さんで見た本当に美しい勢至菩薩。
これはもうお店に入った瞬間に目を奪われたけど、当時の私にはとても手が出る金額じゃなかった。
だから記憶の中で、その菩薩様はますます美しくなってきています。

いつか出会うかもしれない。でも、もう出会えないかもしれない。
なんだか恋愛と似ている(笑)


ここのところ、なんだか涼しい日が続きます。
そんな中、今日は息子の英語のお教室の個人面談に行ってきました。
3才から習わせている英語。
なのに、本人はいたってマイペースで基本的に興味がない...(泣)

「春」は英語でなんて言うの?...と聞くと「???」
じゃ「Spring」って何?...と聞くと「春!!!」

なんなの〜??と思い、先生に伺うと、幼児からやっているとよくある現象なんだとか。
日本語から英語は想像しがたく、英語そのもので言われると意味を理解するらしい!?
スペルも超いい加減で、宿題もイヤイヤだけど、小さい頃からイギリスの方に習っていたからか
外国人に対して全く萎縮しない子に育ちました(笑)

これからは英語は必須。
あともうひとつ中国語か韓国語、スペイン語くらいは話せないと国際人とは言えなくなる時代。
いったい、いつ花ひらいてくれるんだ〜。君は〜!(苦笑)

1時からの面談ですっかりお腹が空いた私は、お教室の近くにある「チェゴヤ」という韓国家庭料理のお店で「パルガン麺」というのを頂きました。
パルガンは「赤い麺」という意味なんですって。
麺も赤く、スープも真っ赤で少し辛かったけど、美味しかった!


韓国には何度も行ってるのに、この麺は初めて頂きました。


箱根富士屋ホテル。
先日、古書店で「箱根富士屋ホテル物語/山口由美著」という本を購入しました。
明治11年創業。西暦で言うと1878年。
日本最古のクラッシックホテル「富士屋」を創業した山口家一族の物語です。
著者は山口家の末裔の山口由美さん。旅行作家としても有名な方です。

外国人がまだまだ偏見を持って見られていた明治初期に、外国人相手のホテル経営に乗り出した
創業者から、カリスマ性のある二代目、堅実な三代目...と引き継がれた富士屋ホテルの歴史。

これは二代目の正造氏が造った「花御殿」
客室ひとつひとつが花の名前で呼ばれ、各々に意匠をこらした装飾で飾られている豪華な建物。
もう、この当時の様な内装材料や建築素材は手に入らないし、それを扱うことのできる職人さん
もいないんでしょうね。
アケビ、ザクロ、バラ、スイカズラ、時計草、百日紅、クチナシ、桜...。
花の名前がついた各部屋には、日本で初めてバス・ルームが取り付けられたんだそうです。
この「花御殿/フラワーパレス」は重要文化財にも指定されています。


実は、私はまだ一度も泊まったことがない(泣)
レストランやカフェ、ギフトショップの利用だけで、なんとなくタイミングが合わず、宿泊する
チャンスがありませんでした。
ぜひ何日か逗留して、このホテルの醍醐味をゆっくり味わってみたいものです。

そうそう。ここはあのジョンレノンもお気に入りだった場所。
ここのアップルパイが大好きで、一度に三つもたいらげたんだとか(笑)

幸せだったその頃のレノン一家の写真もロビーに飾ってあります。


2012年6月27日水曜日

ドイツ製WELEDA(ヴェレダ)シルバーバーチのボディオイル&ボディウォッシュ。
白樺エキスが配合された、お肌の引き締め効果のあるコスメです。
アンチエイジングには必須(笑)
先日、肌の保湿の必要性を感じ、久しぶりに購入しました。


WELEDAはオーストリア帝国(現クロアチア)出身のルドルフ・シュタイナー(1861〜1925)
の提唱する人智学に基づいて作られたボディコスメの会社です。
シュタイナーは神秘思想家でアントロポゾフィー(人智学)の創始者。
幼児教育にも関わり、ドイツにはシュタイナー学校という学校まであって独自のカリキュラムで
子供の「心」を育成していきます。
正直、息子も行かせたかったくらい。

WELEDAは、植物由来の成分のみを使用し、それらは全て有機栽培。
動物実験も一切なしの徹底した会社です。

消費者も商品のバックボーンを十分理解した上で購入していくようにすれば、良い品物のみで
経済も潤滑に回るようになるんだろうな。

でもなかなか難しい...。


2012年6月26日火曜日

息子の初めての海外旅行はロンドンでした。
小さい時からあまり手がかからなかった上に、赤ちゃんの時から様々な場所へ様々な人達に連れて行ってもらっていたおかげで、多少のことでは動じない4才。
でもさすがに機内に13時間というのは少し不安もありました。
BA(ブリティッシュ・エアウェイズ)にはプレミアム・エコノミーという座席があって、これは
エコノミーとビジネスの中間。
座席は広いのですが、お食事はエコノミーのものという席です。
私も息子も、機内のお食事にはあまり興味がないのでこの席はうってつけ(笑)

出発の日、BAの成田のカウンターでチェックインしようとすると、飛行機会社のオーバーブッキングがあり、クラスがアップしてビジネスクラスになっていました。
これからいろんな海外に飛行機で連れて行くのに、毎回、こんなクラスだと思われたら困るな〜とは思いながらも、私的には、正直「ラッキー!」でした(笑)


これがその時のお食事。
息子なんて4分の1も食べないし、私も機内でお酒はだるくなるから飲まないし、満腹は辛いので2分の1くらいしか頂けませんでした。
このあとメインディッシュが出ます。Too much(泣)

息子は、さんざんいろんな番組を観たあと、シートはフラットになってゆっくり眠れるので「おうちとおんなじっ!」だそう。

いつもこんなだと思うなよ〜(笑)



2012年6月25日月曜日

平賀源内(1728〜1780)
早過ぎた天才。
この人は本当になんでも器用にできる人だったらしく、絵も上手です。
この絵は彼の「西洋婦人図」
江戸時代に描かれているとは思えないほどモダンな絵でしょう?
油絵の絵の具が入って来たばかりのとき、使い方もわからないで描いたのだとか。
中野坂上に住んでいた二十歳の頃、この絵が好きで額に入れて部屋に飾っていました。


もし現代に彼がいたら、間違いなくカリスマ性のある漫画家になっていたんではないかしら。
萩尾望都とか内田善美、大友克洋みたいな。
あとは映画監督とかコピーライターとかハイパーメディアクリエイターとか(笑)
時空を超えたSFストーリーや奇抜でキャッチーなコピーなど、いとも簡単に創りそうだもの。

天才は常に狂気とは背中合わせ。
源内もひょんなことから人を殺め、獄中で病死しました。
あの「解体新書」を著した友人の杉田玄白は、彼の死を悼み「嗟非常人、好非常事、行是非常、
何死非常/貴方は常に人と違い、違う物を好み、違う事をしてきた。どうして死ぬときくらい
普通に死ねないのか」と言っています。

なぜ平賀源内を思い出したか...と言うと。
先日、息子と訪れた逓信博物館に、彼の作った「エレキテル」のレプリカがあったから。

もっと生まれる時代が遅かったら、日本からエジソンかベルが生まれたかもしれないのにね。


セントジョンズワートの花。
黄色の可憐な花をつけるこの植物は、古来から「抗うつ剤」として重用されてきたハーブです。

乳飲み子をかかえて生後三ヶ月で仕事に復帰していた私は、慣れない育児や息子の父親との
確執もあり、今から思うと精神的にかなりまずい状況にありました。
心の病を診てくれるお医者様から、スピリチュアリズムに則って癒してくれるという方達まで
空いている時間にいろいろな所で診てもらいました。

あがけばあがく程、どんどん深みに落ちていく自分。
こんなはずじゃないのに...と、以前の自分に戻ろうとすればするほど病んでいく。


結局、底辺に落ちた状態で何ヶ月も過ごしていた時にこのハーブに出会い、毎日、サプリを服用
するようになりました。
漢方と同じくハーブも、なんとなく気がついた時に「あれっ?わたし...良くなってる?」って
思うくらいの緩やかな改善。
本当にずいぶん長いことお世話になりました。

ちなみにこのセントジョンズワートのお茶もあるのですが、これが苦甘くてすごくまずいの。
あまりのまずさに思わず「正気」に戻ったくらい。

これもある意味、抗うつに効果があるってことですよね(笑)


2012年6月24日日曜日

午後に新潟から戻ってきました。
新幹線はとても空いていて、キーボードの宮崎さんとお互い読書をしながらの、ゆったりと
した帰路でした。
今日は晴れていたけど風が涼やかで本当に気持ちが良かった!

昨晩が遅い夕食だったので午前中はお腹がすかず、飲み物のみ。
さすがに東京駅に着いたらお腹が空いて、新幹線を利用する時によく立ち寄る大丸東京店の
6F、香港スィーツのお店「ZEN/采蝶軒」へと向かいました。


ここは香港スィーツはさることながら、ちょっと小腹が空いた時にいい、麺や粽(ちまき)
のセットもあるのです。
今日は「粽(ちまき)セット」をオーダー。
小さ目の器の麺と粽、それにデザートがセットになっているライトなもの。
デザートは3種類から選べるのですが、今日は「亀ゼリー」にしました。
お茶はライチ紅茶。

香港の街角で食べるあの味に良く似ていて美味しかった。

久しぶりに完食です!


今日は新潟に来ています。
新潟は1dayだけの公演でしたが、いらしてくれたお客様の熱気がすごい!
久しぶりの新潟だったから余計でしょうか。

自分の気の緩みが仕事にでたのかな。
今日は、いま一度、気持ちを引き締めて仕事に取り組まねば...と思うことしきりの1日でした。
仕事をしていると「慣れ」が一番こわい。
よく判っているはずなのに、ふとした時に緊張感が保てないことがあります。
自分を省みた1日...。


夜はバンドのメンバーと、へぎそばで有名な「須坂屋」に行ってきました。
途中から音関係のスタッフの方達も参加して、にぎやかなお夕食。
へぎそばの「へぎ」というのは、お蕎麦を入れる器のことなんだそうです。
このお蕎麦なら、明日の朝の胃のつらさを思い煩わないで、たくさん頂けそう。
つなぎに布海苔が入っているとかで、喉越しも爽やかです!
久しぶりの「へぎそば」の夜でした。

美味しいお蕎麦と八海山の梅酒で、いろいろと思い悩んでいた事にも、ちょっと前向きに
なれた私がいた。

明日も素晴らしい一日でありますように!


2012年6月22日金曜日

ここのところ週末になると雨。
梅雨のこの時期は、蒸し暑くてなんだかお部屋の空気もモヤモヤする〜。
なんとなく水回りの臭いがする時、うちではお香を焚いたりします。
でも、なんと言っても気軽に楽しめるのは「アロマオイル」
玄関にはアロマ容器を置いておいて、気になった時に使っています。

私はベルガモットや、やっぱり定番のラベンダーが好きですが、箱根に行った時に買った箱根・
富士屋ホテルのオリジナルのエッセンシャル・オイル、これはお薦めです。
お香のような香りと以前にブログに書きましたが、よく調べてみたら、サイプレス/ホワイトクラ
ウド/ニアウリ/ブラックペッパー/レモンタイム/ヒノキ/クラリセージ/ローレル/パチュリ
そしてレモン。
こんなに色々な香りの成分が含まれていたんですね!
富士屋ホテルのエントランスは、この香りが常に焚かれていて、入った途端に日常とは違った
異空間に居る感覚になります。
本当は、箱根富士屋ホテルに泊まって直接購入したいけど...。
なかなか足を運べないから、ネットで買っちゃおう(笑)


湿度の高い憂鬱な日。
特にデスクワークやらで気分が滅入るとき。
香りでリフレッシュして、今日も頑張りますか...決算資料(涙)


2012年6月21日木曜日

20代の半ば、小笠原の父島を訪れた時に、島在住の知人が真夜中のドライブに誘ってくれました。
その頃、夜でも明るい東京のど真ん中に住んでいた私には、想像もできなかった暗闇。
1m先に歩く人が、どんどん闇につつまれていってしまう恐怖。
あぁ、昔の人達は、夜になるといつもこんな闇を体験していたんだなぁ。

そんな世界の中では、当然、魔物やお化けや幽霊、そして精霊や天使達でさえも、私たち現世の
人間と同居できていたのでしょうね。
深い深い「闇」がある世界は、なんて奥行きのある世界なんだろう。
そして、そういう世界からしか「物語」は生まれてこないんだろうな。
折口信夫や柳田國男の世界...。

そんなことを考えるともなく考えながら森の中を進むと...美しく緑色にぼんやりと光る群生。
Green Pepe(グリーン・ぺぺ)です。
ミクロネシア、ポリネシアなどに広く分布し、日本では小笠原諸島や八丈島にしか生息しない、
ヤコウタケという種類のきのこです。
月の光も遮られる森の中で、点々と光る儚い緑色の群生が、なんとも言えない幻想的な雰囲気を
かもしだしていました。


もう一度、見る機会があるのかな。あの美しい光。


森田曠平/もりたこうへい(1916〜1994)のリトグラフ。
仕事で富山に行った時に、富山在住の友人に郊外までドライブに連れていってもらい、その時に
立ち寄った街道沿いのギャラリーで見つけました。
薄暗い店内の一番奥の壁に立てかけてあったもの。
入り口に入った時にすでに存在感があり、一目惚れで購入しました。

もともと以前の事務所があった代々木上原のビルのオーナーのおうちの玄関に、大きな森田画伯
のリトグラフがお対で懸けてあって「素敵だな」と思っていたから、この出会いにすぐに反応
したのかもしれません。

森田曠平は京都生まれ。
のちに日本画の大家、安田靫彦に師事。
豊かな古典の素養を生かした鋭い筆致の歴史人物画を多く描かれました。
そういった深い知識と優しいお人柄が絵に出ていますよね。


私は10月生まれで誕生花は「菊」です。
私とこの「菊持つ乙女」との出会いもお花が取り持つ縁かな。
菊ってお葬式の時の仏花の印象が強いですが、もともとは高貴なお花。
香りも清々しく気品がありますよね。

誕生月が含まれるからなのか、私はやっぱり秋が一番好きです。
そろそろ暑くなってきたから家に飾ってある絵の入れ換え時期となりました。

夏が過ぎて秋になるまで、しばしのお別れ。


2012年6月20日水曜日

今日も1日デスクワーク。
なかなかやる気の出ない私は、気分転換にシャワーを浴びたり、コーヒーを飲んだり。
あ〜あ。どっか行きたいな〜。
なんて言ったら家族に「毎週末行ってるじゃないの!」...と言われてしまいました。

だから仕事じゃなくて、なぁんにも考えないでよくて、ききたくなければ誰とも口をきかなくて
よくて、自分の好きな時に好きなことをできるやつなんだってば!私がしたいのは(涙)


ここのところ、プライベートで旅に出る時はほとんど息子と一緒。
こういう感性が豊かな時期に、いろんな場所に連れて行って、いろんな経験をさせて、世の中
にはいろんな人がいて、いろんな世界があるんだって身を以て教えてあげたいから。
ひとつの狭い価値観だけでは、いつか「ポキッ」っと折れてしまうからね。
そして結果的に、目に見えないものにこそ、一番大切なことが隠れているんだってわかって
もらいたいから。
あなたが「もういいかな?」って思う時まで、ママは一緒に行くよ。

でも、ごくたまにでいいから「ひとりの時間」を持ちたいな〜って思う。
母である前に一人の人間だものね。
だから「〜君のママ」って呼ばれたり、病院とかで「お母さん」なんて呼ばれると、いまだに
ピンとこず「えっ?それ...誰なんだっけ?」っていう私がいます(笑)

私は誰にも属さない。
たったひとりの唯一無二の「私」なんだけどな。


ウィンザー/ロイヤル・アデレード・ホテル(Winsor/Royal Adelaide Hotel)
レゴランドに行くために、ネットで探したホテルです。
とても感じが良く清潔なこじんまりとしたホテルで、朝食も美味しかった!
毎朝「モーニン!」と階段を降りて来る息子を、レセプションの男性がとても可愛がってくれて
2人は大の仲良しになりました(笑)
ここは最近4つ星を獲得したんだそうです。

もともと、1830年に国王になったウィリアム4世の妃、アデレードを記念して1830年代中頃に
建てられたジョージ王朝様式のエレガントな建物。
それを改造してホテルにしたそうで、外観はほとんど当時のままです。


ウィンザー城やショッピング街へも歩いて行け、周囲は住宅街の静かな立地。
時差ぼけの息子が午後には眠くなってしまうので、近くのテイク・アウトのみのチャイニーズ・
レストランによくお夜食を買いに行きました。
周囲の住宅街を歩きながら見た満月。あぁ...こんな所に住みたい!

息子もこのホテルが大のお気に入りでした。
次にレゴランドに行く時も、絶対ここに泊まろうね!って話しています。


レゴなんて全然興味がなかったけど、息子とやりだしてから結構ハマってしまった私(笑)
ただ難点は収納に困ること。
特に大物を完成した時は、しばらくはピアノの上に飾るとして、そののち解体、そして
それからの収納をどうするか...?
パーツが小さいので、ひとつとして無くしたくないでしょう?

以前は作品ごとに、わかりやすく設計図とパーツを紙の巾着袋に入れていましたが、段々
面倒くさくなって現在に至る、です。
子供がいると、本当に家の中が片付かない(泣)
物はどんどん増えるし、捨てようとすると「まだ使う〜!!」と抵抗されるし...。

これも過ぎ去れば良き想い出となるのでしょうか(笑)


ウィンザーのレゴランドで息子がハマったレゴのゴーカート。
ちゃんと講習も受け、免許証ももらえます。
私が側につけないし、イギリス人の子供の中で英語がわかってるのか心配でしたが、全然
平気で講習を受けご機嫌でした(笑)

子供って順応力が高い!


2012年6月19日火曜日

台風。6月のこの時期に?
いま私の自宅近辺も強い雨と風で、ひどいお天気になってきています。
台風ってすごいパワーで渦を巻くんだなぁ。
昔から「渦」はとても強いパワーを持つもの、現世の常識では測れない何か不可思議で得体の
知れないもの、というイメージがあるようです。
私たちが普通に着ているペイズリー柄も、本当はとても神秘的な模様なんだそうですよ。


踊りも、基本的には上下にジャンプするタテの踊りと、円を描いて旋回する踊りの二つに大別
できるんだそうです。
タテの代表格はマサイ族のジャンプ。
旋回の代表格は、トルコのスーフィーダンス(イスラム神秘主義の舞踊)
日本の盆踊りもゆっくりと円を描くので旋回するタイプに入りますね。

クルクルと何回も渦を巻いて回転していくと、人間って段々と陶酔状態になるんだそう。
ダンスって元々は、神様に近づくためのものなんだな〜。

そう言えば、天の岩戸を開いた天鈿女命(アメノウズメノミコト)のお名前にも「ウズ」の
音(おん)が含まれます。
踊りで岩戸を開いたことも合わせて、この神話はもっと深い意味があるのかもしれませんね。

今日は1日、決算の資料作り(泣)
ずっとデスクワークをしていたので、いまちょっと自分の部屋でボンヤリしています。
窓ガラスに叩き付けられる雨の音を聴きながら。


Scotland/Oban(スコットランド/オバーン)
スコットランド西岸の島々を巡る時の拠点となる港町です。
レンタカーでエディンバラを出て、色々な所をドライブする旅。
この時は、オバーンの港のすぐ側に建つ Regent Hotel に泊まりました。
高級ではないけれど、そこそこ大型でチェーン・ホテルのように気軽。

お夕食は、船が舫ってある港の入り口のシーフード料理のお店に行ったんだったっけ。
ムール貝が素晴らしく美味しかったけど、東洋人の私は、中流階級とおぼしきオバサマ達に
頭から足の先までジロジロと見られました。
ま、見たきゃ見ろよ!っていう感じ(笑)


レストランを出たあと、港の柱に「Seance」の文字。
日本語だと「交霊会」と訳すんでしょうか。
すぐ近くの民家で、その日の夜9時から行われるとの張り紙。
交霊会とは、何人かの人がひとつの部屋でテーブルを囲んで手をつなぎ、その中の一人の霊媒に
霊が降りてきて現世の私たちの様々な問いに答える...というもの。
人道的な問いに答える神霊もあれば、亡くなったお身内が直接出てくることもあるそうです。
日本で言う恐山のイタコな感じ? 
でも、あまりおどろおどろしくなく淡々とした感じらしいです。

19世紀後半から、イギリスでは神霊を降ろす交霊会がインテリ階層の人々の間で盛んに行われ、
あのシャーロック・ホームズで有名なコナン・ドイルを筆頭に科学的な証明も行われていました。

こんな場所で、こんな会がまだ普通に行われているんだなぁ...と妙に感心した夜だった(笑)

ちょっと行ってみたかったけど...。
興味本位で行くところじゃないよなぁ。


2012年6月18日月曜日

沖縄には何故かこころ魅かれるものがありますよね。
三線(サンシン)の音色と言い、抜ける様な青空と言い、ちょっとゆったりしたタイム感と言い。
人々だけでなく、台風さえも必ず上陸して通過していきます。
日本の中で、唯一、民族としての原点の部分を残している土地なのかもしれない。
だから誰もが引きつけられるのかな。

先日、息子と行った逓信博物館で、沖縄本土復帰の時の古い映像が流れていました。
映像のテーマは、本土復帰に合わせて沖縄〜本土間の電話回線を国際回線から国内回線に切り
換えるために、どれだけの労力と設備が必要だったのか、というもの。
1972年。佐藤栄作首相とニクソン大統領。
これでやっと戦争が終わったのだと誰もが思ったあの日。

「もう二度と繰り返さない。このことを我々が身を以て世界に発信しなければ。」
そう約束された願いも、現代の世界情勢の中で風化していってしまいそう。

沖縄の青空に、いま一度、誓わなければいけないこと。


あともう少しで、あの時と同じ夏が訪れます。


2012年6月17日日曜日

昨日から仙台に入っています。
週末の仙台は雨模様。少し蒸し暑い二日間でした。
東北地方も昨年より5日早い梅雨入りとか。
これから真夏を乗り越えるまで、体力を温存しながら毎日を過ごさないとね〜。

昨日はやはり仙台の名物ということで「牛タン」のあるお店でお夕食を頂きました。
5月から体調がいまひとつだった私。
トレーナーの先生に勧められて、つとめて良質のたんぱく質を摂るように心がけてきました。
お肉を頂くというのは本当に即効性があるんですね。
身体を動かすのもしんどかったのに、1時間後にはすっと動けた自分がいて驚きました。
普段、あまりお肉を頂かないので、効果が顕著に出たんでしょうね。

ほかならぬ「命」を頂くんだもの。
感謝しながら残さず頂いて、そしてエネルギーをもらった私が、今度は誰かの役に立つように。


昨日はバンドのメンバーとスタッフの女性達との飲み会も兼ねての夕食会。
ワインが何本も空いて、最後には日本酒も...。
女同士のガールズトークは世代が違ってもなかなか楽しい(笑)
今度はお食事メインでみんなでガッツリいきましょう!

仙台は「冷やし中華」の発祥の地でもあるとタクシーの運転手さんに伺いました。
蔵王チーズや牛タン、そして冷やし中華かぁ。
美味しい物がいっぱい!


2012年6月15日金曜日

今日は「県民の日」で学校がお休み。
お弁当を持って箱根にでも行こうかと話していましたが、昨晩からコンコンと咳をする息子。
結局、遠出は止めて、担任の先生から頂いた Invitation Ticket を持って、中央区の逓信総合博物館に行ってきました。

ここは「通信」に関する古今東西の歴史や、科学的な説明が3階のビルのスペースを使って、たくさん展示してあります。
古いビルなので、実はあまり期待してませんでしたが、内部はなかなか凝った展示。
特に歴史のコーナーは面白かった。
古代から現代にかけてのコミニュケーションをツール別に解説してあって、映像やゲーム感覚のものまで結構充実しています。

ドイツでは、昔はお肉屋さんの配達の人がラッパを吹きながら郵便もついでに運んでいたので、今でもポストにはその時のラッパのマークがついているのだとか。
ちょっとお豆腐屋さんを思い出しました(笑)


写真は江戸時代の飛脚の展示の横で、飛脚になり切っている息子(笑)

佐川な感じ(爆笑)


2012年6月14日木曜日

栃木県、那須塩原の旧青木邸。
明治時代にドイツ公使、外務大臣などを歴任した青木周蔵子爵の那須別邸です。
この建物は「明治の森」という公園内にあって、休日になると周囲は家族連れなどで賑わいます。

明治21年に建てられたこの邸は、内部の木組みにヨーロッパ木構造の架構法を採用、外壁にウロコ型のスレートを用いるなど、特徴ある建物です。
神戸北野にある「うろこの家」と外観の雰囲気も年代も似ていますね。
内部は白く塗られた木組みのおかげで温かい雰囲気。
長い年月のせいで、少しかしいでる部屋もありましたが、一度泊まってみたい気分になりました。


青木子爵の奥様はドイツ貴族の出身でいらしたみたい。
子爵がドイツにいた時に知り合って恋をしたんだって。
ドイツの上流階級出身なのに、当時の日本に一緒に行って住もうと思うなんて勇気あるな〜。
青木さんってさぞかし魅力的な男性だったんでしょうね。
お写真がありましたがお嬢さんがひとり。ハナさんとおっしゃって綺麗な方でした。
この方はドイツに移られて、やはりドイツの貴族のおうちに嫁がれ、その子孫がおうちを継いでいるんだそうです。
今でも青木子爵の日本人の血が、ヨーロッパに根付いているんだな。


今日は息子はグリーン・スクールでお友達とお泊まり学習。
ワックワックしちゃう〜!!と言って、朝早くから出かけました(笑)

そんな訳で、私は仕事を終えてから、お夕食は銀座のナイル・レストランにBFと行ってきました。
何回か行ってみたのですが、その度に定休日だったり、社員旅行でインドに行かれていてクローズ
していたりで今夜が初体験!
インド人のおじさんが顧客から大人気(笑)
次々と訪れるお客様をスイスイとお席に誘導、お料理を運ぶのもお会計も全て1人でこなしてしまってました。
オーナーのナイル氏も有名な方みたい。今日はいらっしゃらなかったけど。
1949年創業。日本で初めての本格的インド料理のお店です。


写真はチキンのカレーとチーズのカレー、そしてチャパタ。
この後にムルギ・ライス(これが名物。ムルギは鶏肉のことなんだって。チキンとキャベツ、ポテトをまぜまぜして頂きます)が出てきて、ボリュームたっぷりでした。
香辛料とお野菜、そして煮込んだ鶏肉がなんとも言えず美味しい。
以前、よく来ていた姉に薦められたトマト・スープは濃厚でピリッと辛く、こちらも絶品でした!

インドの人ってインフルエンザに罹りにくいんだって。
香辛料を子供の時から摂取しているかららしいです。本当かな〜?


2012年6月13日水曜日

去年の夏に行った高知、朝の桂浜。
遠くから見ると砂浜に見えますが、実は細かい砂利の浜。
素足で歩くと少し痛いのです。
闘犬を観に行ったあと、夕方の桂浜で息子と一緒に遊んだことを思い出します。


その時は3年生でまだまだ子供、手をかけてあげなきゃ何もできない位に思っていたのが、
今年4年生になってから、ぐんと大人っぽくなりました。
子供って徐々に大きくなるものだと思っていましたが、ある時、加速度がつくように成長
するんですね。
一緒に2人だけであと何回、旅をするのかな。

子供を育てることに恐れと不安でいっぱいだった10年前。
いまは親である自分が、逆に育てられていることを実感しています。
子を持ち育てること。
大変だし、果たしてどちらがいいのかは分からないけれど、これを経験するのとしないのとでは
全く別ものの人間になるのは確かです。

少子高齢化。
行政と力を合わせて、恐れずに子供を持ち(自子、養子問わず)立派に育てていく人生を選ぶ
日本人が増えていくこと。
これが結果的に私たちの魂の向上につながるのかもしれないと私は思っています。



2012年6月12日火曜日

昨日は六本木スィートベイジルで「Chance」というパフォーマンス・グループのライブを見て
来ました。
コメディタッチで、でも本格的なダンス・パフォーマンスも織り込まれた、女の子だけの
なかなか楽しいライブ。
当意即妙な台詞の掛け合いも面白かったし、なによりメンバーの人柄が可愛い。
ある程度年齢を経てきていることで、綺麗や可愛いだけじゃなく人間としての深みも出て来てる。
ぜひ活躍して欲しいグループです。

浜崎バンドのコーラス、陽子さんとご一緒だったのですが、終演後、2人ともあまりにお腹が
空いて、近くの「しょうがの香り」というお店に直行。
ここは評判は聞いていたのですが、入るのは初めて。
店名通り、全てのお料理に生姜が効いています。


メインに頼んだのは豚しゃぶ。
生姜とニンニクの出汁で作ったスープに、なんと山盛りのレタスと豚肉をしゃぶしゃぶして
頂きます。
これが予想以上に美味しかった!
ポン酢もありましたが、何もつけなくても、付け合わせの生姜のすりおろし&大根おろしと
一緒に頂くだけで十分でした。

昨日の生姜のおかげで、今日は体調、すこぶる快調です(笑)
「食」ってほんと大事。


スコッランド/フォート・ウィリアムスの Highland Hotel 。
レンタカーでスコットランドの湖水地方を回った時、フォート・ウィリアムスにも立ち寄りました。
その日の宿はその日に決める。
私には珍しくそんなスタンスにしたのも、B&Bが充実している地域だから。
シーズン中でもない限り、綺麗で清潔な宿に困ることはありません。

観光案内所で勧められた今夜の宿を、いろいろと探していた時に見つけた丘の上のこのホテル。
重厚な構えで私好みの外観に魅かれて見に行ったのですが、正面にかかげられた Highland Hotel
の「H」の字が、鋲がはずれて逆さになっていてちょっと荒れた雰囲気。
中に入るとレセプションにも人がいず、ロビーは改装中の様に埃だらけです。
ガランとしたスペースに椅子が倒れていたりして、まるで映画「ドラキュラ」の館のよう。

ベルを押してしばらくするとスタッフが出て来て「お泊まり頂けます」とのこと。
興味はありましたが、あまりに殺伐とした古さに、結局、この時は街中の家族でやっている
コージーなB&Bにしました。


先日、ネットで見てみたら地域の「Best Hotel」に選ばれて綺麗になっていました。
あまりに怖かったので辞めたけど、やっぱりちょっと泊まってみたかったな〜(笑)


2012年6月11日月曜日

息子が学校で描いてきた「絵手紙」
小さい頃から「上手な絵」は描けませんが、なんとなく味のある絵を描く子です。
1年生の時の自画像も、息子だけ色が青色の線の一筆書きみたいな顔(笑)
でも絵の中の目が生き生きと笑っていて、おもわずこちらもニコニコしてしまうような絵でした。


先日、ママのどこが好き?という話になり、開口一番「優しいとこ!」
私は結構厳しくしているので「え〜優しいっけ?」と聞くと
「怒ってない時は優しいじゃん」との答え。

それからしばらく間を置いて
「それとね〜迷いがないところ!」

確かに私は迷わない(笑)

この子は、こんな風に私を見ていたんだと思うとなんだか嬉しくなりました。


コンサートで久しぶりに訪れた札幌は「よさこい祭」で大変な人でした。
土曜日の夜は昔からの友人とお寿司を食べにすすきのへ。
札幌でCDショップを経営する石川さんとは、かれこれもう15年くらいのお付き合いです。
3年ぶりの再会だけど、会ったらすぐ以前の感じに戻るのは、お互いひとりでフリーランスで
頑張っているからなのかもしれません。
元気な笑顔を見れて、本当に嬉しかった!

翌日の朝、早めに出発する方を見送って、お散歩がてら街をブラブラしていると、街中のお寺
の境内に「骨董市」ののぼりが立っていました。
まだ朝早いので、やっと品物を並べだしたばかり。
お話好きのおじさんといろいろ四方山話をしていて、ふと目にとまった地図。
昭和17年発行の携帯用の鉄道日本地図です。当時の価格20銭!?
昔からの情緒ある素敵な地名も、なんだか味気ない平凡な名前にどんどん変わっていっている昨今。
旧地名の名残りがある国鉄の駅名が全て記載されているのに興味があって買い求めました。


朝のカフェでコーヒーを飲みながら、ひとつひとつの駅名を見ていきます。
戦前の優雅な時代。
いったいどんな人がこの地図を持って旅に出かけていたんでしょうか。

私も今度旅をする時は、この地図の旧駅名から、訪れる街を探してみよう。
宮本常一の「忘れられた日本人」の世界が垣間見えるかもしれないな。


2012年6月9日土曜日

1975年に発表されたアルバム「私は風」
「六月の詩」は、このアルバムのオープニングを飾る曲です。
高校時代にカルメン・マキ& OZ にハマった私の、その中でも最も好きな曲。
深町純のピアノが透明感をかもしだす逸品です。


6月の少し湿った、素肌にひんやりと感じる風を受けながら、どこまでもどこまでも続く
麦畑をひとり歩いていく感じ。

強い「風」にたなびく草はらのまるで生きているみたいなうねり。
陽がかげった午後の空に浮かぶ少しオレンジがかった「雲」
強い「孤独感」ではないけれど誰かにそばにいて欲しい「夕暮れ」
ひたひたと押し寄せる暗い「夜」へのぼんやりとした「不安」

目を閉じると、そんな遠い昔の映像が頭に浮かびます。

出張で来ている北海道の風景を見ていたら、10代の私がそっと顔を出しました(笑)


2012年6月8日金曜日

室生寺の十一面観音。

奈良県/宇陀市にあるこのお寺は、高野山が女人禁制だったのに対し女人の参拝を許していた為
女人高野の別名があります。
ちょうど6月の今頃ここを参拝した私は、女性的で装飾的なこの十一面観音の美しさにつくづく
見入ってしまいました。

十一面観音はもともと水とは深い縁がおありです。
室生寺の裏の山を登った所に「竜穴神社」もあって、雨乞いの信仰とも深い関係があるよう。


この時はレンタカーではなく電車とバスを乗り継いで来た私。
竜穴神社には行ってみたかったのですが場所もわからず...。
帰りのバスの時間も気になって、この次は絶対レンタカーで来よう!と思いながらバス停でなかなか
来ないバスを待っていた時、古い車に乗ったおばあさんが「さっき室生寺にいらした方?竜穴神社に
お参りに行くけれどご一緒にどう?」と声をかけて下さいました。

連れて行って頂いた竜穴神社は、山から流れくる勢いのよい水流の向こうの岩壁に、しめ縄が張ってあるのみ。すぐ下に竜の住んでいたという洞窟があります。
プリミティブな自然信仰の原点を見たようで、私の中の古代の血が共鳴するような経験でした。

あのおばあちゃまはまだお元気かな。
駅まで送って頂いたのにお名前も聞かずに別れてしまいました。

記憶に残っているのは...名も知らぬその方の親切のみ。


奈良ホテル旧館。
階段の踊り場付近。ここを通って客室に向かいます。
壁には河合玉堂や横山大観の絵が飾られ、年代を経た木の手すりや窓枠、そしてこの照明。
ここに宿泊する度に、このホテルに身を置くことの贅沢さを実感し本当に豊かな気分になります。


ある時、一人で冬の初め頃に泊まった私。
当然いつもスタンダードなお部屋なのですが、この時は新館に案内され(新館も綺麗ですが、ここ
の特徴は味わえないのです...)もう一度、レセプションに戻って旧館に換えてもらいました。
たぶん、たまたまお部屋が空いている日だったんでしょう。
旧館の広いデラックスツインに案内され、びっくりしました。

その夜は重厚な大きな部屋で、奈良の街の古書店で偶然見つけた「小桜姫物語」を読んだのでした。
物語の質とこのお部屋の雰囲気が相まって...なんだか不思議な、誰かにそっと見られているような
少しだけ怖い気持ちがしたのを覚えています。でもイヤな感じではなく。

自分とは違う時代の人達が愛した物や場所。
そういうものに触れていると、いつもと違う空気の粒子が私をゆっくりと取り巻いていく。
そんな錯覚に陥ります。

そういう雰囲気が、私は好きなんだな...。


2012年6月7日木曜日

本八幡の八幡神社での七五三の時のショット。
息子のマブダチの橋本さんと私、手を引かれているのが息子です。
うちの子には、流行りのものを取り入れた今っぽいところがまるでないので、古風な着物が似合う
かなぁ...と思い、正絹の仕立てのいい物を選んでみました。


実はうちにはTVがありません。
私がある時、突然イヤになり、家族と同居が決まった時に「これだけは私の方針」と無理矢理処分
してもらいました。
生まれた時からTVの無い生活なので、息子は別に疑問を感じないようです。
旅行に行った時にたまにTVをつけますが、私が嫌いなのを知っているので、そこそこで消して別の
遊びをしています。

本を読んだり、ラジオを聴いたり、BGMをなんとなく流したり、会話をしたり、お茶を飲んだり...。
うちにいる時くらい、あふれる情報から自分を守ってあげたくなります。

あっ...。緊急の速報は、かえってラジオの方が正確で早いですよ(笑)


The Fullerton Hotel Singapore(フラトン・シンガポール)

MTVアワードの授賞式のため、機中泊は入れずに1泊3日(!?)の強行軍でシンガポールを訪れた
ことがあります。
クライアントの方が取って下さったのがこのホテル。
1928年の完成当時から、ドーリア式の円柱などを有する大規模なパラディアン様式の建物として
シンガポールの代表的建築物なのだそう。
以前はいくつかの政府機関、そして1996年まで中央郵便局として機能していましたが、再開発に
よりホテルとして改装され今に至るとのことです。

この見事なロビーへのアプローチ!
建物フェチの私としては垂涎ものです(笑)


このホテルの側には運河が流れ、夜になるとその岸沿いにたくさんの屋台が並び、そぞろ歩き
にはもってこいの場所。
夜風にあたりながら屋台のテーブルで食事をしてお酒を飲んで...。
運河を巡る小さいボートに乗ってマーライオン(これが小さい!)も見に行ったんだっけ。
素晴らしく高級な場所のすぐ隣に、気取らない、その土地を十二分に楽しめる庶民的な場所が
ある...。アジアはこういうところがいいよね。
慌ただしかったけど、楽しいシンガポールの思い出です。

今年の夏休みは息子を連れていってあげようかな。


2012年6月6日水曜日

20代の前半。まだたくさんのエネルギーがあり、時間も有り余るほど持っていたころ。
小笠原諸島、父島に住む間接的な知り合いの友人夫妻を訪ねて、竹芝桟橋から「小笠原丸」で
旅に出かけたことがありました。

初めての船旅。


天候も良かったので、出港した時は本当に快適!
青い空と砕ける波。そして、あの爽やかな海風...。

でも...東京湾から外洋に出た途端ものすごい揺れが(涙)
ずっ〜と遊園地のアトラクションに乗っているような衝撃が続き...。
後悔してももう間に合わず、丸1日船酔いに苦しみました。
そこで体得したのは、吐くだけ吐いたら、揺れに逆らわずに横になってゆ〜らゆ〜らと怠惰にしてるのが一番ベストだということ。

今にして思うと、人生と似ている。
やるだけやったら、無理に流れに逆らわずにゆ〜らゆ〜らと。

それが一番楽チンで、なおかつ結果的には最良の選択であることが多い(笑)


2012年6月5日火曜日

法隆寺。救世観音。

この強靭なオーラを放つ仏像は、法隆寺の夢殿に納められている秘仏。
年に春と秋との公開以外は、今でも人目にさらされることなく静かに眠っています。
聖徳太子の面影を刻んだという逸話がある仏像ですが、どこかエスニックな面差しもあって...。
これが、本当に太子を模した像ならば、聖徳太子ってなんて凄みのある方だったんでしょうか。
一度だけ、秋の公開時に扉の外から拝見したことがありますが、夢殿の内の暗闇の底からゾッと
するような凄い存在感で迫ってきました。

これは...私の知っている観音様とは違う...。


明治時代、フェノロサが岡倉天心と共に法隆寺を訪れて、夢殿で秘仏となっていた救世観音を調査
のために運び出そうとした時、法隆寺の僧侶はみな「祟り」を恐れて逃げ出したのだとか。
天平時代の最高傑作。
何百年も...もしかしたら1000年以上、誰も見ることのなかった秘仏。
身体に巻かれた白い布を取り去って、救世観音を目の当たりに見た時のフェノロサ達の驚きや歓喜、そして感動や畏怖。

私もそこに立ち合いたかったな...。


イギリスでのアフタヌーン・ティー。
懐かしいなぁ。
濃いミルク・ティーとクロテッド・クリーム、温かいスコーンや薄いキュウリのサンドイッチ...。

どうして日本にいると、ザワザワと時間が過ぎて行ってしまうんだろう。
なんだかいつも時間が足りないようでセカセカしてしまう。


ロンドンの午後ほどゆったり過ごすことはできないけれど、今日は息子の行っているお教室、
七田チャイルドアカデミーのママお二人と『afternoon tea』で楽しいおしゃべりを楽しみました。
同じ年の子供を持つ母親同士、いろんな悩みや愚痴、一緒に大笑いする出来事やちょっと涙する
真面目な話...。
私は仕事があって最近あまりお会いできないけど、こんな風に語り合えるお友達を持って
とても幸せです。
私たちって...いわゆる同志?(笑)

母親として女性として、そして何よりひとりの「人間」として...。
たくさん悩んで、たくさん玉砕して、そして乗り越えて行きましょうね!

子供が独り立ちしたら...いっぱい遊んでやる〜(笑)


2012年6月4日月曜日

いま、うちの庭は小鳥達で大にぎわいです!
甘くて美味しいベリーの赤い実が鈴なりだから。
猫がいるので木の下の方はまだつつかれていませんが、上層部はベリーの取り合いです。
ムク鳥くらいの大きな鳥もツガイでやって来て、散々おしゃべりしながらベリーをつついています。
猫のミントが外出する時は、仲間同士で警戒の声を出してけん制します。
ミントはどこ吹く風...なのが結構笑える...!


そろそろ熟してきたので、私たちも頂こうかな(笑)


私のロンドンの親しいお友達、Akemiちゃん。
息子とロンドンを訪ねた時、ちょうど私の誕生日が日程に含まれていたので、よく行かれるChinese restaurantでお食事会を開いてくれました。
双子の息子さん達とご主人のAndy、そして息子と私です。


私の会社の名前「B:ZAR」は、彼女の Soho のサロンの名前を頂いたもの。
当初は2人とも子供達がいなかったので、ロンドンを拠点に私のコーディネイトを含めた新しい
ビジネスを、もっと展開させたいと話していました。
子供の手が離れたら、またぜひトライしたい!

遠く離れてはいるけれど...私の大切な大切なお友達です。


2012年6月3日日曜日

手代木直右衛門(てしろぎすぐえもん)1826〜1904
幕末、会津藩が京都守護職にあった時、公用人として朝廷、幕府、諸藩との連絡、調停役に
あたった人物。維新後、投獄。
赦免後、香川や高知の各権参事を歴任。最終的には岡山区長となり、岡山市で病没。
会津がルーツの母方の姓が「手代木」といい、どうも親戚筋のご先祖のようです。


昨年の真夏、うだるような暑さの京都で息子と訪れた「霊山館」
龍馬を始め、幕末に関する資料が所狭しと並び、近くの丘にある龍馬と慎太郎の墓、霊山神社と共に
大勢の人が訪れます。
そこで見つけた京都の直右衛門が会津藩の家老に送った手紙。
そして晩年の直右衛門が言い残した「近江屋事件は、殿(松平容保)のお指図で私が采配をとった」という言葉。

息子は、大好きな龍馬の死と自分のご先祖が関係していたかもしれないという事を知って、かなり
ショックだったようですが、当時はイデオロギーの違いは死を意味するものなんだと、心底身近に
感じられる結果となりました。

歴史と自分が繋がる瞬間。
かつて生きた人々のいろいろな想い。いろいろな人生。さまざまな真実やさまざまな正義。

そんなことを深く思い描ける人になってもらいたいと思っています。


PENHALIGON'S の Blenheim Bouquet(ブレナム・ブーケ)
英国の元首相チャーチルが愛した香りとして有名です。
ユニセックスなので女性でも大丈夫!
私も初夏の爽やかな午後などに楽しんでいます。
シトラス、ラベンダー等の爽やかなトップノートから、最後はシダーウッド、ムスクの官能的な
香りへと変化します。


オックスフォードに近いウッドストックという所に「ブレナム・パレス」という宮殿があって、
ここは故ダイアナ妃とも親戚筋のチャーチルが生まれた場所。
この香水のネーミングはこの宮殿の名前に由来します。

残念ながら私はまだ行ったことがありませんが、敷地だけで成田空港の約6倍ある宮殿だとか。
11代目のマールボロ侯爵のご家族がいまもお住まいで、侯爵がたまに観光客の側を馬に乗って
通りかかったりするそうです。

建物や調度品、お庭のお手入れだけでも気が遠くなるほど大変そう...(笑)


油日神社の古面。
正式には「田作福太夫神ノ面」と言い、滋賀県の油日神社に所蔵されている古面です。
田作という名称は田楽の面であったことを示しているそうで、毎年の豊饒を祈る時に使用された
ものかもしれません。
時代は私の好きな室町時代。
不思議なもので、海外の美術品や建造物においても、この1500年辺りのものに魅かれます。
例えばボッティチェッリとかフラ・アンジェリコとか。
イギリスのテューダー様式もこの時代ですね。


以前、この面が世田谷美術館の「白洲正子展」にて展示されたことがありましたが、回りには
すごい人垣(涙)
そして、その中高年の方々は(あっ私も中年だけど)声高に、いかにこの面が素晴らしいか、
白洲正子氏がこれについて何て言われたかをお話しになるので、すっかり気が散ってしまい...。
その時はゆっくり見入る気力もなくなってしまいました。

静かな場所で、ゆっくりと対峙したい。
仏像もそうですが、やはり信仰に関する美術品は特にそんな気がしてしまいます。


2012年6月1日金曜日

もう今日から6月ですね〜。
うちの庭に、スノーフレーク(八重柏葉あじさい)が咲きました!
これから約1ヶ月、次々と花をつけて楽しませてくれます。


紫陽花はもともと「あずさい」と呼ばれていたらしい。
「あず」は集まる。「さ」は真。「い」は藍色。
つまり「真の藍色が集まる花」という意味なんだそうです。

花言葉は「移り気」「高慢」「美しいけど冷たい」などちょっとマイナス傾向(笑)
でも「元気な女性」というのもあって、まぁ、私はこっちをとるかな。

身体がいろいろと変化してくる微妙な年齢の今日この頃。
元気でいることが自分や家族の幸せにも繋がります。
今日は筋力トレーニングのレッスン日。
でもまだ本調子じゃないからストレッチだけにするかな〜。それでも汗だくだけど(笑)


郡上八幡で買って来た2枚のお皿。
直径25センチくらいの、昭和初期かギリギリ大正ものかな?
雨に降られて偶然入った、八百屋さんとも雑貨屋さんともカテゴライズしづらいお店。
私はあまり興味がありませんが、昔のホーローの看板やフィギュアなどがホコリをかぶって置いて
あり(たぶんマニアなら絶対買うんじゃない?)、価格の高低や種類を問わず品物がごっちゃりと
てんこ盛りです。
値段は...驚くほど安い...(笑)


エネルギーがありあまっていた若い頃は、品物が山積みされている古道具屋さんを何軒も回り、
気にいったものを探し出していましたが今はそんな気力はなし...。
ただ私が実際使いたくて、自宅に置いて違和感のないもの。
そして時々、そのもの自体が「連れてってー!」と私に呼びかけるものを購入します(笑)
単なる古物にも高い値段をつけている昨今(まぁ、気に入れば値段は関係ないけど)、こんな
お店が残っている郡上八幡はなかなか新鮮な街でした。

昨晩、早速アスパラガスとグリルしたお肉がこの器に盛られて食卓に上りました。
器の藍と食材のコントラストがあまりに綺麗だったので写真に撮ったのですが...息子から借りて
いる安〜いデジカメ、夜の室内であまり美味しそうに撮れなかったので、今朝、器だけ撮り直し
ました。

ちょっといいカメラ、買おうかなぁ〜。
マニュアル読むの面倒くさいけど...(笑)