2017年7月28日金曜日

no.1111 dinner

昨晩はひさびさドレスコードがイブンングドレスのお食事会でした。
お席はシャフッルされたので、同席した方達は知らない人ばかり。
でも和気藹々とした雰囲気の中、何人もの方達とお友達になれて楽しかった!
もちろん名刺も用意しましたよー。仕事モードも忘れずに。

お食事はまずフォアグラのガトー仕立て/フレッシュサマートリュフ添え
やだ梅干し?的な添え物は実はイチジクです。自然な甘みでお食事に花を添えます。
フォアグラはもうこれだけで相当な重量感。普段だったらもうここでギブアップかも。


次はオマール海老のパートフィロ包み焼き/アメリケーヌソース
そうは言っても今夜はフルコースですから。まだまだいきます。
包まれているパートフィロとはギリシァ発祥の小麦粉、塩、水、オイルで作られた薄皮。
パリパリとした食感が、中のオマール海老の柔らかさにリズムをつけてくれます。
ちなみにフィロってギリシャ語で「木の葉」のことなんだって。
アメリケーヌソースは文字どおりアメリカ風のソースってことで、海老の殻を炒めて甘みと
コクをだすソースなんだそうです。


桃の冷製クリームスープ
桃だよ!桃のスープ!私的には今回のお料理の期待度マックスNo.1です(笑)
一口目は「えっ。これ桃?」というほんのり酸味を含んだクリームスープなのですが、口に
残る後味がまさしく桃!
季節の食材を使った、やっぱりフランス料理ならではの構想ですね。また食べたい!


真鯛のソテー/ブールブランソース
皮がパリパリに焼かれていて、普段はもうとうにお腹いっぱいになっている私でもぺろっと
いける王道の美味しさでした。ブールブランソースとは白いバターソースっていう意味。


和牛フィレ肉のポアレ/エストラゴンのソース
ここまで来ると。もうかなりお腹いっぱいなのですが。でもいく(笑)
美味しいーーー!起承転結があるフルコースの中でもクライマックスですね。
ちなみにエストラゴンは中世以降フランス料理には欠かせないハーブの一種なんだって。
もともとは薬草でヨモギに近い種類だそうですよ。食通のハーブだとか。


特製デザートの盛り合わせ(コーヒーとともに)
もう全部は無理でした(笑)この私がスィーツを残すなんて。考えられない。


乾杯はドンペリニヨンだったのでつい二杯ほど頂いてしまい(笑)
なので私はワインの白はパス!赤はこのブルゴーニュのミディアムものが振る舞われました。
さほど深みはないのですが、落ち着いた渋みと後味の良さがいいワインだったかな。


そうそう。一応ネイルはこのお会があったのでパーティー使用。
どんなのにしたの?という声にお応えして。手だけ撮っときましたよー!
今回はアクササリーに合わせてシルバーネイルです。


帰りがけにお知り合いとお庭で涼んでいた時に仲良くなったお二人と。
向かって右の方はスイスのさる時計会社の御曹司。左の方は香港のタレントさんなんだとか。


たまにはドレスアップしてお食事するのもいいですねー。
私なんか狭い世界にいるからなー。仕事も国籍も違う方達お話するのは刺激になりますね。
車で来ていたので、この日はホテルに宿泊です。
美味しいお食事と楽しい会話、好きなワインを飲んだあとのホテル泊。幸せな夜ですね。
F様。ご招待頂きありがとうございました。


2017年7月19日水曜日

no.1110 osaka 4days

大阪へ行ってました!暑かった〜。
でもJust the biginning tour・一幕ファイナル。無事に終了して良かったです。
皆様。本当にお疲れ様でした!また8月のa-nationで。

宿泊はいつものニューオータニ。
もう20年くらいのお付き合いになるので、ここは自分の家のようにくつろげます。
ホテルスタッフの方達と世間話をしたり情報交換したりして親しいお友達のよう。
でもそこはプロのホテルマン。礼儀正しく決して一線を超えない感じがとても居心地がいい。
正面エントランスのお花にはいつも癒されます。今回は盛夏を前に艶やかな出で立ちですね。


楽屋にあの素敵なお店「野口太郎」からローストビーフのお弁当の差し入れが。感激です!
あぁ。また行きたいな〜。厳選された食材の太郎さんの創作料理。
そして締めの魅惑の卵かけご飯とあの濃厚なしじみ汁!


皆様を新大阪までお送りしてから、昨日は一人、大好きな町「老松町」へと出向きました。
地下鉄御堂筋線淀屋橋駅から徒歩7、8分の距離です。
歩いていると左手に日本銀行大阪支店の建物が。
堂島川と土佐堀川に挟まれた中之島に位置し、明治36年の創建なんだそうです。
設計はあの辰野金吾。もう行く先々で魅力的な辰野金吾の建築に出会いますねぇ。
ここは事前予約が必要だけど内部見学できるようです。今度こそ、ぜひ!


老松通り。ここはアメリカ領事館の隣に位置してる大阪の昔からの骨董街なんです。
新地からも御堂筋通りを挟んですぐのところ。
a-nationが開催されていた時よくANAホテルに泊まってたのにその頃は全然気づかなかった。


初めて来た時は昔ながらの骨董屋さんが低い軒を連ねた静かな町という印象でしたが、今回
来てみると飲食店の増加と共に更地が増え、駐車場になってしまったお店もあり、少し様変
わりしていました。だんだんこんな風に昔の面影がなくなっちゃうのかな。

老松通りをぶらぶらと。中国骨董。絵画専門。ラリックやガレ。茶器。仏教美術。陶磁器。
お店によって様々に扱っている品物が違います。
美術館なみのものから1、2万のお手頃な小さなお品まで。
私は物怖じしない質なので、どこの国でもどんなに敷居が高くても、気になった物がある
とスルッとドアを開けて「こんにちは!」と挨拶してからお店の内に入ってしまいます。
きちんと挨拶して礼儀をわきまえていれば、皆さん本当に親切に接してくれますね。
時には意外な由来やエピソード、様式の説明や骨董の見方まで教えてくださる時もあり。
お店のご主人のお人柄とお品物がぴったりと当てはまる場合もあれば、意外な趣味にびっく
りすることもあって。骨董屋さん巡りは人と物との予期せぬ出会いです。ほんとに面白い。

今回は15周年を迎えられた雑貨店「カナリア」さんにも顔を出しました。
オーナーの足立さんとはFacebookでもお友達。
展示会やアニバーサリーのお知らせなどは頂いていたのですが、なかなかお会い出来ず。
ほぼ1年ぶりの再会です。


お店の中は足立さんそのもの。こじんまりとした繊細なおとぎ話みたいな世界観。


アオアシカツオドリのプリントが可愛い小さな布製のバッグを買いました!
ポツンと小さな金のダルマさんは足立さんの手作りカナリア15周年お祝いダルマ。キュート!
布製バッグ。月末の銀行いく時に使おー。


近くにある古い歴史的建造物・近江ビルヂングのアンティーク屋さんにも行ってみたかった
のですが、お昼を食べたりしてゆっくりしてたらあんまり時間がなくなり。
老松町に行く時には必ず立ち寄る「兜屋画廊」さんへと向かいました。
ご主人の加藤さんが収集されたもの達は、今の私の感性をすごく刺激してくれるものばかり。
古今東西を問わず宗教的な香りのするもの。趣きがある品のいい時空を感じさせるもの。
今回見た瞬間に即決したものは、旅行時に携帯された黒漆のお厨子入りのこの小さな三尊像。
和歌山のお寺から出たものだとか。高貴な女性の持ち物だったようです。細工が美しい。


そしてこれ。なんだと思います? 縦7センチくらいの小さなもの。
実は額に入った襖の取っ手なんです。江戸中期。彩色にはエナメルが使われてます。


大きな邸宅。たくさんある襖の取っ手ひとつひとつにこういう細工が施されているなんて、
想像できないくらいに贅沢な世界です。
各地で古い建物を見にいきますが、必ずこういった細かい部分に贅が尽くされている。
先人たちの優雅な香りが宿る小さな「美」を出来うる限り残していきたいですね。
元々ついているメタリックな額。少し気に入らないので私好みに架け替えるつもりでいます。

そして。小さな小さな古い新羅の観音像も観せて頂きました。
いまの私にはとても購入できる金額ではありませんでしたが。素晴らしい。
変わったところでは電通の倉庫から出たというものすごい装丁の古い土門拳の写真集全5巻。
宮沢賢治の作品集全11巻。江戸初期の鬼子母神像。重々しい船箪笥。和歌山のお寺から出
たという大きなお厨子。ロシアのイコンに被せるリザなど。
いろいろなお話が伺えてあっという間の2時間でした。


2017年7月14日金曜日

no.1109 recently it has been hot!

最近、暑い日が続きますね〜。
今日は比較的風が吹いて過ごしやすかったので、夕方、日が陰ってから庭に水をまきました!
明日は仕事上で本当に長くからお世話になっている大事な方の手術の日。
どうか無事に手術が終わり順調に回復されますようにと、毎晩、寝る前にお祈りしています。

先日、昔からの親友でいま私の仕事を会計上で手伝ってくれている友人のお誕生日でした。
仕事帰りの彼女と水道橋で待ち合わせ。
夏らしい藤の小型バッグと同じく藤で編んだ帽子のプレゼントを持って、ひさしぶりに東京
駅地下のアメリカ料理のお店/Bobby'sに一緒に行きました。


吉祥寺や二子玉にも店舗があるんだけど、出張で東京駅をよく使う私にはここが一番馴染み
がある。お料理の一皿の量がとても多いので、行くときは必ずみんなでシェアです。
サーモンのバターソテー/グリーンサラダとフライドポテトのサイドメニュー付きを食べた
後(これもかなりの量)彼女のたっての希望で苺のパンケーキを!


デザートはアメリカンコーヒーと。
食事の時にオレンジのプレスジュースとレモンのプレスジュースをお互い頼んだのですが、
ほとんど同時に「オレンジプレッセ!」と「レモンプレッセ!」と言ったのには笑いました。
彼女は一時期ヨーロッパの暮らしが長かったので、フランスのカフェでのオレンジプレッセ
を思い出したらしく。私も先日のパリの記憶がまだ新鮮だったので懐かしい味でした。
甘くなくスッキリとしたシュワシュワのプレッセ。東京駅地下で飲めるとは!

共通の昔の友達が私に連絡を取りたがっているという話。
年末までまったく勉強してなかった高3の冬に「もう現役諦めたからあげる!」とその友人
に手渡された英語の参考書をただ丸暗記して私が漠然と日芸に受かっちゃった話。
彼女の吉祥寺の家のお義母様の介護の話。
先日、息子と行った閑谷学校の講演会で東大の山本教授が言われた「世の中が明日をも知れ
ぬ時には人々は宗教に傾き、時代が安定した時には思想(哲学)に走る。」という話。
ご主人と彼女がフランスの片田舎で、ほとんど知らない古本屋のオーナーの女性にもう場所
も定かではない小さな町の古本市に連れて行かれた話。
ヴァンプの骨董市や先日購入した伊東深水の木版画の話。
高校の時に席を置いていた美術部の話とその時描いた水彩画の話。
昔の友達とはまったく話がつきませんね。何時間でも。
いろんな想いやいろんな時を乗り越えて。でも本質的には全然変わらない私たちがいて。

さて。週末から大阪です。暑そう。大阪。


2017年7月9日日曜日

no.1108 shizutani-gakko

吉備津神社から山陽道に乗って備前市の山合いの地「閑谷学校/しずたにがっこう」へ。
例によって飛ばし屋の私。13時受付開始の予定よりもだいぶ早く着いてしまいました。
お天気は急に晴れたり、いきなり曇って雨がぱらついたり。
でもあまり酷い雨にはならなくて本当に助かりました。山間部の雨。怖いもんね。
閑谷学校。江戸時代前期の岡山藩藩主・池田光政によって建てられた現存する最古の庶民の
ための公立学校。この講堂は国宝に指定されています。


少年老い易く学成り難し。
ほんとは息子がこの講堂をウロウロする動画を撮ったのですが「あのさ。言っとくけどブロ
グになんか絶対載せないでよ。なんなら速攻消去して。」だそうで。
難しいわぁ。お年頃のお子ちゃまは〜(笑)


小高い山に囲まれた周りの景色。緑が本当に美しい。


初めてこの地を訪れた名君・池田光政は「山水清閑、宜しく読書講学すべき地」と賞賛され
たのだとか。閑谷の名前の由来もここから。


今回、息子とここを訪れた目的は、この東京大学・山本博文教授の講演会です。


藩主・池田光政と陽明学(儒学の一派)の知行合一(ちこうごういつ)の理想に燃えた儒学
者・熊沢蕃山(くまざわばんざん)との交友から垣間見える当時の儒学全般、その歴史的な
流れを中心にした興味深い講演。
約100名の参加者が拝聴するなか、2時間弱の本当に楽しい講演会でした。


隣で真剣に先生の講義に聴き入りながら、カリカリとレジュメにメモ書きする息子。
もともと歴史好きではありますが、こういった一流の歴史学者の方の講演にものすごく感銘
を受けたようでした。岡山行き、調整できて良かったねー。
その後、池田光政の爪、歯、髪を納めた敷地内の椿山や資料館などを巡り、閑谷の地を後に
して。今度は倉敷に向かいました。
私が前回話した古本屋さん「蟲文庫/むしぶんこ」を、息子、どうしても見てみたいらしく。
夕方近くに着いた倉敷の町はシトシトと雨が降るお天気でした。


蟲文庫。店主の田中美穂さんは、この日もまたシンと静かにいらっしゃいました。
かれこれ1時間くらい息子と古本探し。
お互い数冊の古書を買い求め、蟲文庫の時間が止まったような独特な空気を胸いっぱい吸い
込んで大満足で帰途に着きました。素敵な場所です。異次元。


倉敷は昔の建物をすごくうまくリノベーションして様々なお店が開かれています。
行列の焼き鳥屋さんだったり、アンティーク屋さんだったり、帽子屋さんやこの食材のお店
だったり。


フレンチもイタリアンも。ステーキから懐石まで素敵なお店がいっぱいあるの。倉敷は。
こんな湿度の高い日はシュワシュワのウィスキーソーダでも飲んでゆっくりしたいなぁ。
この近くにホテルを取って、夕方から夜の黄昏の素敵な時間を過ごしてみたい。
倉敷川の畔に鷺がいました。
この後、すごい速度で川から小魚を捕まえてて。びっくり。やるなー。鷺。


この鯉!写真では分かりづらいのですが、ゆうに70センチは超えてるんですよー!
こういう鯉が町中の川を悠々と泳いでいる姿を見ると、何だかこちらまで幸せになりますね。


そんなこんなの。週末弾丸岡山ツアーでした!
岡山在住の久保先生にもご連絡を取らず。今度またゆっくりと来たいですー。
帰りの飛行機は気流の関係で随分揺れました。揺れに慣れてる私でもちょっと怖かったな。

夕方に自宅に戻り。家族それぞれ自室で思い思いに過ごす梅雨の夜です。


no.1107 to okayama

九州が豪雨だったので心配でしたが、思いつきの弾丸旅行で息子と岡山に行って来ました。
先日ひとりで岡山を訪れた時に見つけた備前市の史跡「閑谷学校」での講演会のチラシ。
持って帰って息子に見せたら「わぁ。これ行ってみたい!」となり。
直前まで学校の日程や私の仕事がわからなかったので、行けるとわかった途端に突如動き出
した相変わらずの私たちです。いつもこんな(苦笑)
学校の用事を終えた息子と都内で待ち合わせて羽田空港へ。最終便で岡山へゴーです!


もうお腹すいた!絶対空いた!となり、ホテルへ行く前に老舗のラーメン屋さんへ。
ここは創業60年の地元では有名なお店なんだそうです。
「あまい からい」面白いネーミングですね。
ラーメン屋ではなく「中華そば屋さん」なんだ。支那そばとか中華そばって昭和っぽい♡


いつも仕事帰りや飲み帰りの人たちで大混雑らしいです。活気がある。
秘伝の醤油ダレで味の濃さ/辛さを自分で調整できるの。
息子はワンタン麺、私はチャーシュー麺を頼みました。餃子も一皿。この夜遅くに!?


食べ終わったら器の縁にこんな文字が現れました!


ごちそうさま!とお店を出てから、即、ホテルへチェックイン。二人とも大爆睡の夜でした。
翌日は朝も早よから(何しろ二泊三日とは言え日曜日に早く帰るから、ほとんどこの日しか
動けないので)吉備津神社へ。ここ息子にぜひ見せたかったのです。


心配していた雨は時折パラつく程度でしたが湿度がもうすごいことに!
ちょっと動いただけで汗だく。風はまったく無し。お扇子持ってきてて良かった。
息子、学校からそのまま来たのでなんと制服。
着替えもあるのに講演会だから制服で行くって。なんで??変なとこ頑固(笑)
一応替えの白シャツを持ってきててラッキーでした。変わったヤツでしょ?


この回廊を下って行くと「釜鳴神事」の建物に行き着きます。
時間がないから今回はご神事はパス。前回来た時に伺った神事の詳細だけを私が説明。
その後、弓道や剣道の道場をのぞいたりして広大な神社の敷地を暑い中回ってみました。
裏の出口を出るとすぐ。昔の精進落としの場所として栄えた花街の辺り。
この間わたしが来た時に見惚れたのと同じ古い朽ちた建物に、息子も「素敵だな。」と反応
してて思わず笑いました。趣味って似てくるのね。
敷地内の岩山宮という鳥居の参道。紫陽花の花、美しく満開の様子です。
宮司さん曰く「盛りをちょっと過ぎたところ」だそうですが。綺麗ですねぇ。


この岩山宮の参道は、えらく急な階段が延々と上まで続いているのです。
私は足の怪我もあるし、暑いし、歳とってるしで遠慮しましたが、息子は「行ってくる!」
とトントンと階段を登り境内へ。いやぁ。若いってすごい!
回廊のベンチでお扇子をパタパタさせながら宮司さんやほかの参拝客の方としばし談笑。
息子はひとりクルクルといろんな所を周り、「犬養毅の銅像があったよ。近くに生家も残っ
てるんだって。あとさ。黒住教本部って来る時にあったでしょ?黒住教ってここが発祥の地
なのかなぁ。調べてみたいな。」って。だから!今回は今日一日なんだってば!?

吉備津神社はほんの2時間弱の滞在。そして一路、備前にある閑谷学校へ向かいました。


2017年7月5日水曜日

no.1106 at gujo-hachiman

お昼は前回も行ったお蕎麦屋さん「まつい」へ。
郡上八幡はこじんまりとゆったりした町なのですが、今回は週末だからか観光客が多かった。
行ったことのない和食屋さんとか鰻屋さんも行ってみたかったけれど、並んでまで入るのが
嫌いだからなー。安全パイで。ここのお蕎麦、美味しいし。


おろし蕎麦とざる蕎麦の二種類だけだった。そうだった。なのでおろし蕎麦を。
思い出した。このお店、ビートルズがBGMで。ずっとビートルズなんだよー。
お蕎麦とTomorrow never knows。合わないよーリボルバーは。って前も思ったわ(笑)


今日は遅いスタートだったので、食後はなんとなく町を散策。好きだなー。郡上八幡。
あっ。このお家。昔はお医者様のお家だったってとこ。
前に来た時もう誰も住んでいない感満載で、どうなっちゃうんだろう?行政で残してくれ
たらいいのにって思ったのだけど。
今回見てみたら登録有形文化財の指定がされてた。良かった。壊されないで。
お家の中、見てみたいなー。こんなとこで骨董屋やったらいいだろうなー。私やりたいなー。


昔はこの町にも一件骨董屋さんがあったそうなのですが(洋服屋さんのおばちゃん情報)、
店主の方が亡くなってから郡上に骨董屋さんはないそうなの。私、やりたい。ここで(笑)
ひとつ雑貨屋さんがあるということなので見に行きました。この建物!三階建て。すごい。
ここの雑貨屋さんはピンとくるものなし。隣の入り口から二階に上がる喫茶店にかなり心惹
かれたのですが、ちょっと他に行ってみたいお店があったので今回は諦めました。


行ってみたかったのは、前回見た八百屋さんともお花屋さんとも骨董屋さんともとれるお店。
乙姫川という、春は桜の古木が満開になる小さい小川のほとりにあるお店なんです。


お店をのぞいてみたら店主の女性がちょうど筍の皮を剥いでいるところでした。
「ゆっくり見て行ってー。蒸し暑いわねー、今日は。」
前より店内は整理されていて、でもお花屋さんにも、八百屋さんにも、骨董屋さんにも見え
るところは相変わらずです。
お話を伺ってみたら、さっき洋服屋さんのおばちゃんに聞いたこの町唯一の骨董屋さんが亡
くなられた後、その方の持っていらしたお品物を全部譲り受けたのがこのお店「赤垣」なん
だそうです。もともとは八百屋さん。お花も置いている。なるほど。

郡上八幡と言えば、夏に開催される「郡上おどり」が有名。
盂蘭盆会の時期に徹夜踊りも開かれるんだそうで、地元の方は一眠りしてから午前2時くら
いに踊りに参加するお話だの、今は県外から移住してくる人たちを町をあげて積極的に助成
金を出して受け入れていることだのを楽しく伺いました。
「あなたも来ちゃえばー?息子さんも一緒に。いいところよ。きっと楽しいわよぉ!」
そうだね。楽しいだろうな。そんな選択をする人生も。きっといいね。
赤垣でうんとお安く(考えられないくらいに)譲って頂いた器たち。
蓋物は昭和初期。向付は明治期あたりでしょうか。直しが途中まで入っています。


そして小川の斜向かいにある「ebanataw」というカフェで、手作りジンジャエールと共にこれ
また楽しいお話を伺いました。


ご自身も移住者である店主の渡辺さんの肩の力が抜けた無理しないライフスタイルを聞い
ていたら、何だか自分がいつも求めている生活がちょっと虚しく思えてきたりした。
幸せって、どんな家に住んでいるか、預貯金がどれだけあり、どんな生活水準か、こういう
ブランドの服を着て、高価な靴やバッグや時計を持って、休暇はどこに行き、ハイソサエティ
の集まるホテルに宿泊し、どこのレストランでどういうワインを飲んで...。
なんていうことでは到底測り切れない。
それこそ「心外無別法」だねー。内側を豊かにすることのみ。すべてはそこに繋がるから。
私はこの言葉に会うために今回はここ郡上八幡まで来たのかな。

渡辺さんが焙煎されたコーヒー豆を買い(タンザニア。うちに帰ってから豆を挽いて淹れた
ら、これが本当に香り高く美味しかった!)ご近所のお客様の連れているワンちゃん達に
手を降って駐車場まで戻る途中。春には満開になるという桜の古木の傍を通りました。


赤垣さんの「この桜のおかげで、私達は本当に豊かな人生を送れましたよ。桜は寿命がある
でしょう?もうそろそろこの樹もダメかもしれないけど。」という言葉を思い出しました。
限りあるものは。儚いけれど美しい。共に生きた時間の優しく美しい思い出は。きっと幸せ
の分量とイコールだよなぁ。
わたしも。そういうことに喜びを感じとれる人生を選びたい。

そして自宅に無事戻り、日曜日から日常の生活に戻ったわけなのですが。
なんと!自宅のソファの角に左足の小指を思い切りぶつけて骨折...。
歳とると末端の感覚が希薄になってよくぶつけたり転んだりするんだってねー(苦笑)


あ〜ぁ。相変わらずのおっちょこちょいですwww かなり痛い。


no.1105 drive to gujo hachiman

夜の新幹線で帰る予定。一人旅はお気楽です。
ホテルをチェックアウトした後、名古屋駅で車を借りて郡上八幡までドライブして来ました。
空気がね。違う。やっぱり。山が碧い。お天気が良かったらもっと綺麗だったろうな。
川では季節ものの鮎を釣っている釣り人が何人もいました。流れはかなりキツそう。


これと言って予定もなし。
一度訪れたことがあるので、なんとなくまた来たくなって来てみた感じです。
ここはよく写真に撮られる場所ですね。やなか水の小道。柳の新緑が美しいですねぇ。


斎藤美術館という個人美術館に入ってみました。ここは来たことなかったな。
歴代藩主とも親交の深い茶人の家柄だった斎藤家が、享保年間から270年に渡り蒐集して
きた書画・茶道具などの美術工芸品を季節ごとに掛け換え展示されているんだそうです。
残念ながら展示物はすべて撮影禁止。
大徳寺169世座主/天祐紹杲(てんゆうしょうこう)の書「心外無別法」
これにはいたく感銘を受けました。ひさしぶりに惚れ惚れと書を眺めてしまった。
水茎の跡も墨のかすれ具合も本当に麗しい。

心外無別法(しんげむべっぽう)とは。
すべての現象はそれを認識する人間の心の現れであり、それ以上でもそれ以下でもない、と
いう仏語だそうです。
周りの環境や煩わしい人間関係。それもすべて貴方の心の顕れですよ。起因はすべて自分。
なるほど。愚痴や悪口なんか言ってないで自分のステージを上げろよ、ってことですね。
お庭の緑。明け方までの雨に濡れて水々しくも美しい。


蔵を出て水琴窟のあるお庭を横切ると縁側の先のお座敷がカフェになっています。
ここのお座敷も広々として素敵なの。さまざまなお道具や書画骨董が飾られていて。
狩野探信の龍の双屏風。京都・嵯峨野の天龍寺の雲龍図の襖絵を思い出すなー。
あの小学生の息子と夏休みの宿題「龍馬の足跡」を訪ねて訪れた真夏の京都。暑かった...。


朝から何も食べてないのにどうかと思うけど(笑)カフェでクリームあんみつを頂きました。


旧家には必ずあるお雛様。当主の方が江戸時代のものとおっしゃっていましたが、いわゆる
享保雛とも御殿作りのお雛様とも違うふっくらとした優雅なお雛様です。珍しい。
お着物の細工も文楽のそれのように体の線を感じるくらいに実写的。
まるで歌舞伎の舞台を見ているようです。


お庭には赤松の古木がありました。
いま松は全国的に松食い虫の影響でひどく弱ってきているでしょう?
斎藤家の栄枯盛衰をずっと見守ってきたこの松。大丈夫かな。心配です。


いろんな所を訪れていますが、私の見る限り本当に青々しい昔からの常緑の松が見れるのは
島根県/足立美術館の庭園ですね。
あんなに堂々とした枝ぶりの青々しい健やかな松が、それこそ日本全国で見られた昔の風景
は、きっとさぞかし美しかったろうな。白砂青松。私の奥底にも刻まれた魂の記憶。

クリームあんみつを食べながら徒然にそんなことを思う郡上八幡の土曜日の午後です。