2014年8月7日木曜日

no.666 ki-o-i-cho

先日、打ち合わせがあって、久しぶりに赤坂のニューオータニを訪れました。
以前にも書きましたが、赤坂という街は20代の頃に入り浸っていたので、私にとっては懐
かしい街。
昭和の香りがプンプンのこのニューオータニも、なんだか古巣に帰ったようでとても居心地
がいいのです。
打ち合わせが終わった後に、庭園を少しお散歩してきました。

この快晴の空。真夏の強い日差しが照りつける午後です。


ニューオータニがある紀尾井町という街。
ここはもと紀州徳川家、尾張徳川家、そして井伊家に所縁のある土地だったため、その三家
の頭の文字をとって紀尾井町としたのだとか。
ニューオータニは元々、あの加藤清正のお屋敷があったところです。
庭園にはその時代(400年前)の古い石灯籠や石組みが残され、さながら歩く庭園博物館。


見えるかな〜。その石の上で、黒しろの猫が長々と身体を伸ばしお昼寝をしていました。


関ヶ原で豊臣側についた加藤清正の権勢が失われた後、この土地は井伊家に譲られ、そして
激動の幕末の時代が過ぎた後には伏見宮邸として皇族に受け継がれます。

第二次大戦後にこの由緒ある土地が外国人に払い下げられそうになったのをニューオータニ
の創業者大谷米太郎氏が憂い、買い上げたあとにホテルとして整えらました。


大谷翁自らが陣頭指揮をとり、400年前の灯籠や生い茂る樹木の雰囲気をこわさないよう
にこの美しい日本庭園を造ったのだそう。


蝉時雨。流水の音。ときおり吹く風にのった緑の匂い。
大きな鯉が泳ぐ瀧のそばで、しばし涼をとりました。
たまにこんな風にふらっと訪れて、なにをするでもなく、光射す水面を眺めながら緑の中
に座っているのもいいものですね。

時間がゆっくりと流れていきます。


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