2017年7月5日水曜日

no.1105 drive to gujo hachiman

夜の新幹線で帰る予定。一人旅はお気楽です。
ホテルをチェックアウトした後、名古屋駅で車を借りて郡上八幡までドライブして来ました。
空気がね。違う。やっぱり。山が碧い。お天気が良かったらもっと綺麗だったろうな。
川では季節ものの鮎を釣っている釣り人が何人もいました。流れはかなりキツそう。


これと言って予定もなし。
一度訪れたことがあるので、なんとなくまた来たくなって来てみた感じです。
ここはよく写真に撮られる場所ですね。やなか水の小道。柳の新緑が美しいですねぇ。


斎藤美術館という個人美術館に入ってみました。ここは来たことなかったな。
歴代藩主とも親交の深い茶人の家柄だった斎藤家が、享保年間から270年に渡り蒐集して
きた書画・茶道具などの美術工芸品を季節ごとに掛け換え展示されているんだそうです。
残念ながら展示物はすべて撮影禁止。
大徳寺169世座主/天祐紹杲(てんゆうしょうこう)の書「心外無別法」
これにはいたく感銘を受けました。ひさしぶりに惚れ惚れと書を眺めてしまった。
水茎の跡も墨のかすれ具合も本当に麗しい。

心外無別法(しんげむべっぽう)とは。
すべての現象はそれを認識する人間の心の現れであり、それ以上でもそれ以下でもない、と
いう仏語だそうです。
周りの環境や煩わしい人間関係。それもすべて貴方の心の顕れですよ。起因はすべて自分。
なるほど。愚痴や悪口なんか言ってないで自分のステージを上げろよ、ってことですね。
お庭の緑。明け方までの雨に濡れて水々しくも美しい。


蔵を出て水琴窟のあるお庭を横切ると縁側の先のお座敷がカフェになっています。
ここのお座敷も広々として素敵なの。さまざまなお道具や書画骨董が飾られていて。
狩野探信の龍の双屏風。京都・嵯峨野の天龍寺の雲龍図の襖絵を思い出すなー。
あの小学生の息子と夏休みの宿題「龍馬の足跡」を訪ねて訪れた真夏の京都。暑かった...。


朝から何も食べてないのにどうかと思うけど(笑)カフェでクリームあんみつを頂きました。


旧家には必ずあるお雛様。当主の方が江戸時代のものとおっしゃっていましたが、いわゆる
享保雛とも御殿作りのお雛様とも違うふっくらとした優雅なお雛様です。珍しい。
お着物の細工も文楽のそれのように体の線を感じるくらいに実写的。
まるで歌舞伎の舞台を見ているようです。


お庭には赤松の古木がありました。
いま松は全国的に松食い虫の影響でひどく弱ってきているでしょう?
斎藤家の栄枯盛衰をずっと見守ってきたこの松。大丈夫かな。心配です。


いろんな所を訪れていますが、私の見る限り本当に青々しい昔からの常緑の松が見れるのは
島根県/足立美術館の庭園ですね。
あんなに堂々とした枝ぶりの青々しい健やかな松が、それこそ日本全国で見られた昔の風景
は、きっとさぞかし美しかったろうな。白砂青松。私の奥底にも刻まれた魂の記憶。

クリームあんみつを食べながら徒然にそんなことを思う郡上八幡の土曜日の午後です。


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