2016年6月27日月曜日

no.954 adachi museum

先日の島根への旅の途中、安来市にある「足立美術館」に行ってきました。
なんの予備知識もなくふらりと立ち寄ったのですが、有名なところなのね〜。
地元の実業家/足立全康(あだちぜんこう)が、自身の日本画に主軸をおいた、通称足立コ
レクションを中心にして立ち上げた美術館。
ここの美しい庭園がまた素晴らしい。
米国の日本庭園ランキングでは13年連続で一位を獲得して、世界からものすごく高い評価
を得ているんですってね。知らなかった。


お庭を巡るとそこここに、写真におさめるとひとつの絵画となるようなシャッターポイント
があって。


お茶室、枯山水庭、白砂青松庭。そして池には涼しげに大きな鯉がたくさん泳いでいました。
ここの庭園の松がすごく元気なの! 
かつては日本各地に、こんな風に見事な松があったのかと思うと懐かしく労しく、なんだか
物悲しい気分になってしまった。
ここの専門の庭師の方を出雲大社に派遣して、痛んだ松並木を診て頂いたらどうなのかな。

常緑の美しい枝振りの向うに借景の山々。
天然の自然と人工の造形との境界線が、グラデーションのように溶け合っているのが日本庭
園の真骨頂なんだと思う。


館内の日本画は、そうね。気に入ったものもあれば、ちょっと…っていうものもあったかな。
横山大観。村上華岳。上村松園。橋本関雪。速水御舟や。そうそう、このあいだ観に行った
安田靫彦もあった。個人のコレクションとしたら、これはすごいこと。
足立翁は横山大観が大変お好きだったそうで、大観の名作をそろえた旧北沢コレクションを
まるまる手に入れた時の逸話は伝説になっているんだとか。
コレクターの熱意は狂気に近いからなぁ。
ちなみに。私は大観は好きでも嫌いでもない。
カリスマ性があったようには見受けられる。逆に大風呂敷のところも若干ある感じ。

陶器のセクションの河井寛次郎と北王子魯山人のコーナーは見ていて楽しかった。
京都の河井寛次郎邸の雰囲気と彼の遺した言葉達が相まって、あぁ、自分もこうやって生き
ていきたいな、なんて。
北王子魯山人は、もう面白いの一言。
なのでつい、ミュージアムショップで昔の彼の食に関するエッセイを買ってしまいました。
あの時代は、こういう面白い人達がたくさんいたのね。
豪傑というか天才というか変人というか。
自分の美的感覚についてはもう絶対に譲らない強さがあって。

お友達には…ちょっとね。難しい(笑)


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