2015年8月15日土曜日

no.806 sho-ki-imari

金粉蒔いた〜。初期伊万里の鳳凰皿。
いま最後の磨ぎに入っていて、あともう少しで完成です。
私の技術が未熟なため、ところどころ磨ぎ破り(金を磨く時に、磨ぎすぎて継いだ金を破り
地肌が見えてしまうこと)をしてしまい、がっくり(涙)
継いだ箇所が多いので、金も大量に使いました。豪華。

初期伊万里とは、1616(元和2)年に日本で初めて焼かれ、江戸前期1673年位まで
に作られた磁器のこと。
ちょうど大阪夏の陣から江戸幕府創成期のころ。
数多くの美術品がそうであるように、この焼き物の技法も大陸から伝わりました。
中国や半島の磁器、そして今の磁器などと大幅に違うところは「生掛け焼成」していること。
通常、器を成形したあとは素焼き(900℃位で低温で焼くこと)をしたあとに本焼き、と
なるのですが、初期伊万里はこの素焼きを省いて、成形後に呉須で下絵を描いてから、いき
なり1300℃で本焼きしています。
なので焼き上がったあとの器は、破損したり、亀裂が入っていたり、歪んでしまっていたり。
釉薬につける時についた指のあと、窯内で降った灰や鉄分の付着や、窯床と器がくっついて
しまうのを防ぐために撒いた粗砂が高台についていたりもして。
でもそんな未完なところが逆に初々しく、温かく、すごく味があるものになっていて、私は
大好きなんですね〜。初期伊万里。


誰がつくったのかな。この鳳凰のお皿。
ひどい直しがされていたのを縁あって私が手に入れて、こんな風に金でなおされて。
喜んでくれてるかな。それとも、ちょっとこそばゆい感じかな。
1年以上、直しながらこのお皿に対峙して、400年くらい前にこれを作ったひとのことを
ずっと考えていました。
男のひと(陶工は当時そうだよね!)で、陽に焼けた顔、腕をしてて、汗をふく洗いざらし
の布を首にかけて。
400年後のいま、あなたが作ったお皿を私が手にしています。

大事に大事にするからね。


3 件のコメント:

  1. きっと、喜んでますよ♡
    綺麗になって大切にしてくれるゆみさん♡と
    出逢えたから(*^^*)

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  2. ありがとう!あーちょん。
    暑い毎日だけどお元気ですか?

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  3. ありがとうございます、元気です(*^^*)
    ゆみさん♡も暑い日が続くので水分取って体調に
    気をつけてくださいね♡

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