2016年10月7日金曜日

no.992 myo-e

京都、高山寺。
市内から緑深き山合いの周山街道を清滝川に沿ってただひたすら車を走らせると、明恵の生
きた時代そのままの風情を残す栂尾の地に着きます。素敵なところ。善財童子がお出迎え。


わたしが高山寺を知ったのは小学生の時。
上野の博物館で鳥獣戯画展があって母が連れて行ってくれたの。
でもそこから本当に長い年月が経って、再び興味を持ち出したのは20年前くらいかなぁ。
白洲正子、河合隼雄、あと川端康成の本でこの古刹を開いた明恵上人を知ってから。
こうして小さい時に与えられたタネが芽吹くんだね〜。
息子への種まきもムダじゃないと思いたい(笑)

明恵という人は本当にもうなんて言うか「精霊」に近いひと。
彼の終生かたわらにあった仏眼仏母。念持仏。わたしの寝室にも飾ってあります。
アッシジの聖フランチェスコを知ったとき、なんて明恵と似てるんだろうって思った。
しかもほぼ同時代人。
骨董の世界でもよく見られる現象らしいけど、ぜんぜん離れた遠隔の地で生まれた同時代の
もの同士が不思議なことにほとんど同じ匂いがすることがあって。シンクロニシティ。
「わたし達は根底ですべてつながっている。その世界では距離も時間も関係ない。」
共時性。それって確かなことなのかもしれないと、そんな時にふと思います。


偶然(まぁ共時性から言うと意味のある偶然)ホテルでパンフレットを見て、高山寺所縁の
展覧会ならこれはぜひ行っておかないと...。と言う訳で今回はるばる太宰府にまで足を運ん
でみたと言うわけです。

明恵が愛した伝運慶作のワンちゃん。ひさしぶりに旧知の友に会った気分(笑)
元気だった?はるばる九州まで来たんだねぇ。


愛する義湘のために龍になった善妙。華厳宗祖師絵伝。
愛の究極のかたち。息子の名前に「龍」があるからか、好きなんだ〜。この絵巻物。


高山寺はわたしの聖地のひとつです。
出張先の九州で再会するなんて。
Coincidence is God's way of remaining anonymous.  これってアインシュタインだった?
大阪か名古屋の出張帰りにスケジュール調整してちょっと京都寄ってみようかな。
立て込んでるからムリかぁ。

そんな訳で。昨日からまた河合隼雄の「明恵 夢を生きる」を読み返しています。


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