2014年6月6日金曜日

no.641 ko-tou-yaki

湖東焼(ことうやき)の小皿。
長浜のアンティークショップで「湖東焼」なる磁器たちを見つけました。
伊万里かなぁ?と思ってショーケースをのぞくと、品のいい上手のすっきりしたお皿が並
んでいます。
お店の方に伺うと、江戸末に彦根藩の藩主/井伊家が推奨して有田から職人を招き入れ、
藩窯として興された窯だそうです。
桜田門外の変で当時の彦根藩主でもあった大老、井伊直弼が殺害されると、居住に不安を
覚えた職人たちが次々に離散し、明治中頃にはすっかり途絶えてしまった「幻の窯」なん
だそう。
稼働していた時期が限られているため品数が少なく、全体的になかなかの高値です。


一般的な大衆の生活の器としてではなく、当時のいわゆる上流階級を相手にしていた窯ら
しく品格が高いのが特徴。
藍の色も落ち着いた渋い色で高級感がありますね。
裏の高台に「湖東」の文字。


こういった品格ある器にも、使いこまれた生活雑器にも、それぞれに味があります。
使用感があまりない完品。
三枚ある同じ図柄のお皿達の中から、一番しっくりする藍の色の一枚を選んできました。
井伊直弼かぁ。
こんな小さいお皿の中にも、教科書で学んだ時は遠い遠い過去の出来事としか捉えられなか
った「歴史」という時の流れが凝縮してるんだなぁ。


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