2017年6月7日水曜日

no.1083 violon celle

街で見かけたポスター。
バッハ/バイオリンチェロの夕べ/Eglise St-Ephrem(サンエフレム教会)/8時30分から
美術館内で住所をググってみたところ、ここクリュニー美術館から歩いて15分くらいです。
これは。行ってみよう。ひとりだし。夜ヒマだし。知らない教会でバッハ聴いて見たいし。


そんなこんなのクリュニー中世美術館。良かったな。また来たいな。後ろ髪を引かれる思い。
中世はよく「暗黒の時代」などと言われてて、衛生面も最悪だったとか迷信やペストや魔女
狩りや十字軍。拷問とかもすごかった、なんて悪い面ばかり取り沙汰されているけれど。
きっと。たぶんこの時代に生きたことがあるこの私が妙に懐かしく思うのだから、何者にも
代えがたい美しい時代でもあったのではないかと思っているのです。


このステンドグラスの栞を息子のお土産に買いました。鳩?だよね。鶉じゃないよね?


磔刑になったキリストの青い衣のひだ。この表現力。最後まで魅せてくれます。クリュニー。


閉館となり外に出ると。まだまだ昼間の日差しです。もう夕方の6時なのに。
とりあえず迷うと嫌なので、まだ早かったのですがググった地図通りにサンエフレム教会へ
と向かいます。
途中、観光客らしく(笑)道のド真ん中からの知らない路地と建築物のショット。


あった。珍しく迷わなかったな(笑)当日券は23ユーロだそうです。


まだ時間があったので散歩をしたり、カフェでお茶を飲みながらマン・ウオッチングしたり、
本屋さんに立ち寄ってインテリアの本を買ったり。

時間が来て中に入ってみると、こじんまりとした教会内はかなり古い時代の様式から直して
直して現在に至っている様子です。
なかは本当に静か。静粛な空気の中、写真を撮っている人なんて一人もいないので、開演
寸前に1枚だけ撮ってみました。
祭壇の柱と緑の大理石の壁。これは。かなり古そう。
前の席のカップルが清々しいの。女の子はテイラースイフトみたいで可愛いし。
まだ学生なのかな。二人で手を繋いでほんとに楽しそうにバッハを聴いていました。


演奏はバッハの無伴奏チェロから始まりました。チェリストはTimothee Marcelさんという方。
イギリスもですが、お若い演奏者の方から重鎮までこういった場所でリーズナブルな値段で
気軽に演奏会を開きます。たまに掛け声が上がったり、演者が手を振ってそれに答えたり。
このティモシーさんも、そうですね。20代後半くらいかなぁ。
最初の無伴奏チェロはほんとよく人々に知られている曲だし、バッハは私も大好きなので、
正直、「わぁ。大丈夫かいな。この調子であと1時間。インターバルが入ったら1時間半?
途中で抜けたら失礼だよねぇ。」なんて思ってしまっていたのですが、後半になればなるほ
ど調子が出て来て演奏がどんどん良くなりました。
やっぱり。演奏家はいっぱい場数を踏むことだよね。若手にこういう機会を与えるために、
みなさん承知の上で聴きに来ていらっしゃるのかもしれないですね。

最後のアンコールは(もちろんフランス語なので細かいことはよくわからなかったのですが)
最初の曲は自分でも納得できていないので、もう一度、無伴奏チェロを弾かせて頂きます、
とおっしゃって再演されていました。こちらの演奏は文句なしに良かったですね。

外に出たら、夏のパリもさすがにもう夜。
煌々と輝く月を見ながら涼しい風に吹かれてサンミシェル駅まで歩き、地下鉄に乗ってサン
ラザールのホテルまで帰ったパリ3日目の夜でした。


0 件のコメント:

コメントを投稿