2012年4月20日金曜日

初めてロンドンに行ったのは、もうかれこれ20年くらい前。
レコーディングスタジオの視察という形で組まれたスタジオ協会のツアーに参加しました。

団体行動の苦手な私はスタジオ視察だけ参加して(個人では許可を取るのが面倒なので)、往復の
エアやホテルは自分で取っての気ままな旅。
ホテルは大英博物館そばのRussel Squareにとり、視察の合間に美術館巡り。

その中で一番、心に残っている美術館は2007年に閉館されたパーシバル・デビッド・ギャラリー。
一人で訪れた東洋人の私に、制服を着た物静かな監視員のおじさんが、とても丁寧に国宝級の陶磁器の説明をしてくれました。


Sir Percival David(1892〜1964)という方は、個人の収集家としてはあり得ない数の東洋陶磁器の
コレクションを持っていた方。
特に中国陶磁器に関しては、北京や台北の故宮博物館でも見ることのできないほどの、素晴らしい
逸品ばかりのコレクションを所有していました。
彼の没後ロンドン大学に全ての陶磁器が寄付され、この個人名の美術館を運営してきましたが経営難から閉館。今は大英博物館内にパーシバル・デビッドのコーナーが設けられているそうです。

ロンドンの主な博物館や美術館は入館料をとらない所が多いですよね。
それは、世界に名だたる美術品を全ての人が平等に見られる環境にあるべきだ、との考えから。
戦争のどさくさに紛れて...とか、金に物を言わせて...とか、英国人の収集の仕方にはかねてから賛否両論がありますが、これだけの品々をここまで細部にわたって類別して保管し、こんな形で公開できるのは...イギリス人だけなのではないでしょうか。


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