2012年4月29日日曜日

これは旧イタリア大使館別邸。
明治期から国際的避暑地として人気があった奥日光、中禅寺湖の湖畔にあります。
まず目を引くのは、杉の皮を竹縁で押さえた意匠で徹底的に統一された外壁やインテリア。
日本古来の茶室にインスパイアされたこの意匠は、周囲に広がる奥日光の自然とびっくりするほど
融和しています。

設計者はチェコ出身のアントニン・レイモンド(1888〜1976)
この方は「帝国ホテル」で有名なフランク・ロイド・ライトの設計スタッフとしてキャリアを開始
した建築家だったそうで、そう言われてみると、この別荘にもライトの影響が見てとれるような気
がします。


別荘の前の岸にヨット用の桟橋が残っていました。
華やかで賑やかだった想い出を語る様に、ゆるやかな波が桟橋に寄せては返し...。
かつて人々で賑わっていた場所というのはどこも、なんとも言えないノスタルジックな想いを起こ
させます。
あたかも自分が同じ「時」を前世で体感したかのような。

日光にはこの他、金谷ホテル、日光真光教会などの素敵な建築も残されていて、古い建物フリークの私には見どころがいっぱい(笑)
そう言えば「日本奥地紀行」を著したイザベラ・バードというイギリス人女性旅行家が、1878年に
東北へ向けて旅に出かけた時もここ日光が拠点でした。

バードの様なそんな確固たる探究心はないまでも、私も様々な旅に出かけて心を揺さぶられる発見
をし続けたいと思っています。


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