2012年6月5日火曜日

法隆寺。救世観音。

この強靭なオーラを放つ仏像は、法隆寺の夢殿に納められている秘仏。
年に春と秋との公開以外は、今でも人目にさらされることなく静かに眠っています。
聖徳太子の面影を刻んだという逸話がある仏像ですが、どこかエスニックな面差しもあって...。
これが、本当に太子を模した像ならば、聖徳太子ってなんて凄みのある方だったんでしょうか。
一度だけ、秋の公開時に扉の外から拝見したことがありますが、夢殿の内の暗闇の底からゾッと
するような凄い存在感で迫ってきました。

これは...私の知っている観音様とは違う...。


明治時代、フェノロサが岡倉天心と共に法隆寺を訪れて、夢殿で秘仏となっていた救世観音を調査
のために運び出そうとした時、法隆寺の僧侶はみな「祟り」を恐れて逃げ出したのだとか。
天平時代の最高傑作。
何百年も...もしかしたら1000年以上、誰も見ることのなかった秘仏。
身体に巻かれた白い布を取り去って、救世観音を目の当たりに見た時のフェノロサ達の驚きや歓喜、そして感動や畏怖。

私もそこに立ち合いたかったな...。


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